アート作品の管理方法とは?オンラインで管理できる美術倉庫の紹介
今回はアート作品の管理についてご紹介します。アートコレクションをしている方向けの内容と、管理の可視化って大事という内容の2つについてまとめています。
この記事を読むとこんなことが分かります。
- マメな管理による情報の可視化が余暇を生み出してくれる
- アート作品の管理が、自分の世界観の可視化につながる
- 無料で手軽なアート作品管理ができる「美術倉庫」サービスを知れる
必要性を感じていない時期の管理は、正直面倒くさいものです。しかし、アートコレクションを始めたばかりの人や、管理の必要性を感じていない人ほど、アート作品の管理は大切だと感じています。
その理由と、手軽に作品情報をまとめられるオンラインサービスをご紹介していきます!
なぜ管理が必要なのか
アート作品を管理していくことにどんなメリットがあるのでしょうか。その理由を3つ挙げてみました。
1. 管理による情報可視化が時間の節約につながる
まずはアートに限らず、管理が大事だと感じる理由として、情報の可視化があります。
例えば、資料を共有してほしいと依頼されたときに、「あれ、どこにしまったっけな。。」と探すのに時間をかけて疲れてしまう、という経験をしたことはありませんか。
オウケイウェイヴ総研が実施した2019年の調査によると、1日の仕事中において調べものに費やす時間が1~2 時間程の割合が69.2%にのぼり、1日平均1.6時間も調べものをしているのだそうです。
また、調べものに時間を取られていることにストレスを感じている人も75.4%という結果となり、時間を取られていると感じる理由に
- 「知りたい情報が一箇所にまとまっていないため」
- 「知りたい情報がどこにあるか把握できていない」
が上位にあがっています。
知りたい情報がまとまっていない状態は、名札のついていない引き出しへランダムに情報をしまっているようなもので、必要となった時に引き出しの区別がつかなかったら、片っ端から空けていくしかありませんし、時間を大きく失ってしまいます。
管理を普段からマメにしておくことで情報の可視化ができます。
必要となった時に調べる時間の短縮ができますし、ストレスも溜まりにくく、余った時間を余暇や他のやりたいことに使うこともできます。
2. 自分の世界観を可視化できる
アート作品の管理という観点で考えたときに、自分の世界観を可視化できるというメリットがあります。アートを収集するのには、さまざまな理由(好み、権威、保存、欲望など)があると思いますが、すべてにおいて言えるのは収集した人の世界観が反映されている点です。
例えば、15~17世紀ヨーロッパでは王侯貴族が「ヴンダーカンマー(Wunderkammer:ドイツ語で驚異の部屋)」というコレクション部屋を作っていました。この驚異の部屋に集められたコレクションの一例としてあったのが、
- 自然のもの:動物の剥製、角、標本など
- 人工のもの:器や服、書物など
を等しく飾ることで自然と人間を生み出した地上の世界を仮想的に再現しているものです。キリスト教的な「創世記の最初の7日間を再現」した部屋を自分なりの世界観で見せようとしたようで、歴史上の実例としてあります。
現代においても、海外では自宅に絵画を飾り、作品を通して自分を表現をしている方もいたり、オンラインでもInstagramはまさに「自分のみせたい世界観を並べて表現」している良い例ではないでしょうか。
アートコレクションにおいても、多かれ少なかれその人の世界観が反映されています。そんなアート作品を整理、管理することで、自分の表現しようとしている世界観を振り返りやすくなります。
3. 常に作品情報が把握ができる
作品によっては、作品証明書があるものやアーティストのサインのみが入ったものまで、さまざまな形で作品情報の受け渡しをすることがあります。そうなったときに、記憶が鮮明なうちに必要な作品情報をまとめておくと、必要な時に必要な情報を引き出すことができるようになります。
こういった管理をしていかないと、数十年経った後に「この作品いくらで買ったっけ?」「いつどこで購入したものだっけ?」と作品の価値を客観的に示すものがない状態になり、調べようにも情報がない状態になる可能性もあります。そうなると、なんでも鑑定団のように専門家に観てもらわないと分からない状態になってしまいます。
作品をやむおえずセカンダリーマーケット(オークションへの出品)や親族へ譲渡するといったときにも、正確な情報を渡すことができて親切にも感じます。
「美術倉庫」サービスでアートコレクションをオンラインで管理!
必要な情報を必要なときに引き出せる状態にするメリットを知った上で、次にどんな情報を管理していけばいいのかをみていきましょう。管理はなるべく簡単である方が続くと考えています。
そのために、
- オンラインで管理できること
- フォーマットが決まっていること
- 無料であること
という観点で管理にオススメな美術倉庫による作品管理をご紹介します。
なぜ美術倉庫による作品管理がオススメなのかを紹介していきます。
1. オンラインでアートコレクションの管理ができる
オンラインで管理ができるのは魅力のひとつだと思います。紙やエクセルなどでの管理も可能ですが、必要な情報をすぐに引き出しやすいオンラインサービスがオススメです。
例えば、エクセルで管理をしていた場合に、「どこのフォルダにエクセルファイル入れたっけな」と探す時間が発生する可能性があります。
一方で、オンラインサービスを利用していれば、「美術倉庫サービス見れば分かる」とだけ覚えておけば、すぐに情報を引き出せます。この差は小さいように見えて、時間が経つほど大切なポイントだと感じます。
ちなみに、作品の管理サービスは無料で利用できるのもお得です。
2. フォーマット入力のみだから初心者でも安心
アート作品の情報って、何の情報を管理すればいいのさ?
という方、というより私自身がそうでしたが、美術倉庫サービスでは登録するフォーマットが決まっていて、空欄を埋めるだけの仕様になっているので簡単です。フォーマットに記入する内容をご紹介すると、こんなものがあります。
タイトル、アーティスト、作品サイズ、技法、素材、制作年、エディション、サイン、購入情報
など
管理は不足な情報があってもダメだし、必要以上の情報入力ができても管理が大変になります。
その点、フォーマットが決まっているのは初心者にとって「どんな情報があればいいのか」がすでに準備されてるので、管理することだけに集中できます。
3. オフラインでのアート作品管理サービスもある
必要によっては、有料サービスを使った管理へも拡張する柔軟性があります。
自宅だけでは作品を保管できなくなった場合に、作品を倉庫で適切に管理する際は有料となるイメージです。
まだ自宅で管理できる範囲であれば利用する必要はありません、オンライン管理をありがたく利用させていただきましょう。
(日本は四季の影響で温度、湿度による劣化が発生しやすいので、自宅での管理は十分配慮しましょう!)
参考に、無料サービスと有料サービスを紹介すると以下の通りになります。
無料 | 有料 | |
作品のデータ登録 | 〇 | |
作品をオフラインで保管 (最大8m(高さ×奥行き×幅の合計)まで) ※年間通じて適切な温度・湿度管理 | 〇 | |
コンシェルジュサービス (コレクション預かり、運搬、作品の撮影やデータ化) ※必要に応じて額装やインストール、コレクター展の開催などの要望にも対応 | 〇 | |
あんしんパック (専用窓口での電話サポート、万が一の最大5000万円の補償) | 〇 |
元麻布にあるギャラリー「between the arts gallery」もおすすめ
「美術倉庫」はギャラリー「between the arts gallery」も運営しています。
基本的には美術倉庫で管理している作品を展示する、アートコレクターのためのレンタルギャラリーですが、アーティストの個展も開催しています。直近では榎本マリコさんの新作含めた個展を開催していました。
コレクションした作品を倉庫に入れると、すぐに作品を観れなくなるのがさみしいですよね。
そんなアートコレクターの
- 保管されている作品を観覧したい
- 保管しているだけでなくたくさんの人に見て欲しい
というニーズを具現化しています。
アートコレクションを始めたばかりの人にとっては、「このコレクターはどんな世界観でコレクションしているんだろう?」ということを知る良い機会にもなると思いますし、知らなかったアーティストを知るきっかけにもなります。
自分自身の世界観を作り上げていく参考に、こちらも足を運んで観てください。
まとめ:適度な管理で現在と未来の時間を増やそう
今回はアート作品の管理についてまとめました。
アート作品に限らず、適度な管理はあなた自身の時間を増やすことにもつながります。今回ご紹介した美術倉庫サービスを活用して、簡単に作品管理をしていきましょう!
ギャラリー情報
between the arts gallery | 東京都港区元麻布 2-2-10 東京メトロ日比谷線 広尾駅 1 番出口より徒歩 8 分 |
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