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【2022年藝大卒展】東京藝術大学卒業・修了作品展(展示作品、休憩スポットもご紹介)

東京藝術大学の卒業・修了制作は誰でも観に行けることをご存知でしょうか?今回は「そもそも藝大卒展って何?」という疑問から、第70回東京藝術大学卒業・修了作品展の展示作品の模様についてもご紹介します。

・藝大の2022年卒展の様子や展示作品が知りたい
・藝大卒展ってどのくらいの時間で周れるのか知りたい
・歩き疲れた時の休憩スポットを知りたい

そんな方向けにまとめています。

また、本記事は2ページに分けています。東京都美術館内の展示模様と休憩スポットを見たい方は2ページ目をご覧ください。

2ページ目から見る方はこちらから

要点だけ知りたい人へ

まずは要点をピックアップ!

  • 藝大の2022年卒展とは、東京藝術大学の学部生、大学院生による卒業・修了作品を鑑賞できる展覧会
  • 2022年の藝大卒展の会期は2022年1月28日(金)〜2022年2月2日(水)9:30〜17:30(入館は17時まで)(予約制)。
  • 会場は上野の東京藝術大学構内、東京都美術館の2会場で開催。
  • 学部生と大学院生修士の作品が展示。展示している学科は8個(日本画、油画、彫刻、工芸、デザイン、先端芸術表現、美術教育、グローバルアートプラクティクス)
  • 膨大な出展点数なので、今回は2会場の中からいいな!と感じた作品をピックアップしてご紹介。(作品紹介は後述)
  • 広範囲での展示となるので、全て観て周る場合は丸1日余裕をもっていくのがおすすめ(東京藝術大学内4時間程度、東京都美術館3時間程度)
  • 休憩スポットは東京藝術大学内に「ミュージアムカフェ」「キッチンカーNoM cafe」、大学周辺に「上島珈琲店 黒田記念館店」、東京都美術館内に「レストラン・サロン」「カフェ・アート」がある。

藝大卒展とは?

藝大卒展とは、「東京藝術大学の学部生、大学院生による卒業・修了作品を鑑賞できる展覧会」です。理系、文系大学でいうところの卒業論文を外部向けに公開するようなイメージです。

毎年1月中旬から2月上旬にかけて開催され、会期は6日間と短めです。合計8学科の学部生、大学院生による作品が上野の東京藝術大学構内、東京都美術館の2会場に展示される大規模な展覧会となっています。

全て観るなら丸1日使いたくなる展示数

広範囲での展示となるので、全て観て周る場合は丸1日使って、余裕を持っていくのがおすすめです。私は東京藝術大学内を2時間程度、東京都美術館内を3時間程度で鑑賞していきましたが、東京藝術大学内は全てみて周ることができませんでした。東京都美術館は4時間程度あってもよかったなと感じました。

また、今回の展覧会は事前予約制となっているので、全体を観て周る場合は余裕を持って、一部だけみて周る場合は鑑賞ルートをある程度決めていくのがおすすめです。

東京藝術大学内

今回は膨大な展示の中から、作品をピックアップしてご紹介します。分かる範囲で作家SNSのリンクも貼っているので、気になった作品があればチェックしてみてください!

大学美術館

大学美術館では大学院生修士の日本画、油画、彫刻、工芸、デザイン、先端芸術表現、美術教育、グローバルアートプラクティスの作品が展示されていました。

馮瀟(ひょう しょう)さん(デザイン)

《離合・集散》
馮瀟/ミクストメディア・インスタレーション

ハンドルを持って作品内に入って体験できるインスタレーション作品。赤の他人との心地よい距離感でいようというメッセージを感じます。

馮瀟(ひょう しょう)さんInstagram:@fengxiao_works

平良光子さん(彫刻)

《御足を洗う女》
平良光子/樟、彩色

寝ている狐の鼻先に足が添えられている作品。添えられた足の根本は花を咲かせています。絵本のごんぎつねの物語を思い出しながら観ていました。

《Pieta’》
平良光子/樟、彩色

布を片手に持った青い狐。《Pieta’》とは、十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの作品を指す言葉です。抱えている布で、子供を育てていたのでしょうか。

平良光子さんInstagram:@tairamitsuko

川村真優香さん(デザイン)

《you’re》※読み、表示は「I-oy’re」のような感じでしたが、変換できませんでした…
川村真優香/写真、映像

コロナ禍により集う時間や服を着る機会も減った中で、架空のアパレルブランドを立ち上げ、その2年間の軌跡を作品化したもの。「あなたがあなたでいること」と「融解」の思いが込められています。

岩藤愛実さん(デザイン)

《幸せになるウイルス》
岩藤愛実/インスタレーション・映像(カラー・音あり)、バイアル瓶(ガラス)

人のニューロンに感染しセロトニン(幸せホルモンと呼ばれているもの)の受容体を発現するウイルスを作るストーリーを作品として展示していました(ウイルスは安全面を考慮し展示していません)。テクノロジーの進化とそれを扱う人間について考えさせられます。

岩藤愛実さんTwitter:@EMII_1024

岡田夏輝さん(デザイン)

《岡田道 NV-01》
岡田夏輝、アルミニウム・樹脂・ウレタン塗装・溶接

2019年末に起きた事故からの己自身と愛車バイクの復活劇、こういう作品もあるんだ!と感じた展示。実際に公道も走れるように、車検も検討しているそうです。バイク好きにはアツい作品。

岡田夏輝さんYouTube:https://youtu.be/BYu7IzgZKWg

青柳諒さん(デザイン)

《Build》
青柳諒、PLA樹液

骨が白色、肉が赤色、表層が灰色で構成された人体骨格の作品。PLA樹脂とは植物由来のプラスチック素材のことで、プロトタイプから組み上がっていく過程を観ているようでした。

青柳諒さんInstagram:@yagiyagi.blue

栗原莞爾さん(美術教育)

《都市の光景-東京都-》
栗原莞爾、ミクストメディア

銀座の数奇屋橋交差点やレインボーブリッジなど、東京の景色を描いた作品。夜景の捉え方が素敵でした。

栗原莞爾さんInstagram:@kanji_kurihara

野原望愛さん(日本画)

《層々累々》
野原望愛、紙本彩色

壁と池を描いた作品。「層々」と「累々」はどちらとも幾重にも重なるという意味を持っていて、日本らしい石垣と西洋のイメージがあるレンガがひとつとなって、街に溶け込んでいる様子が印象的でした。

野原望愛さんTwitter:@NoharaMiyoshi

絵画棟

絵画棟では大学院生修士の油画、先端芸術表現の作品が展示されていました。展示会場は1階と5階〜8階です。

筧由佳里さん(油画)

《砂浜にて》
筧由佳里、木製パネル、油彩、テンペラ、盛上胡粉、金箔、錫箔、虹彩箔

砂浜に置かれたボートに男性が座っているシーンと、日傘のようなカラフルなお着物とカラスが描かれたシーンの作品。独特な雰囲気が出ていました。

《ドアノブ屋》
筧由佳里、木製パネル、油彩、テンペラ、盛上胡粉、金箔、錫箔、虹彩箔

個性的なドアノブが配置され得ているようで、左側の作品内にある、うずらのような容姿のドアノブについ注目してしまいました。

川端健太さん(油画技法・材料)

《untitled》
川端健太、ミクストメディア

目を水の揺れのように隠した肖像画と、身長の倍以上はある赤ちゃんの作品。モノトーンなのに色を感じる感覚があり、モチーフのその人らしさも踏まえて描いている印象がありました。後から知りましたが、川端さんは東京藝大の油画を主席で卒業されているそうです。

川端健太さんInstagram:@kawaken11_06

沼田侑香さん(油画)

《リビングルーム》
沼田侑香

アイロンビーズの作品を配置したインスタレーション作品。ぐにゃぐにゃとしたままパタリと倒れている人や、家具もどこか不十分で、何か足りない違和感を感じる食卓が印象的でした。

沼田侑香さんInstagram:@numatayuka.artwork

加川日向子さん(版画)

《うまくいかない会話》
加川日向子、紙にリトグラフ

絵本の世界のようなほっこりとした雰囲気を持つ作品。日差しのよく入る場所も相まって、まるで暖炉のある部屋で鑑賞しているようでした。

加川日向子さんInstagram:@hinakokagawa

彫刻棟

彫刻棟では大学院生修士の彫刻作品が展示されていました。

山元佑介さん(彫刻)

《KAITAI Sculpture》
山元佑介、映像インスタレーション、水粘土

粘土で作られたマグロの解体ショーを映像で流しつつ、足元には解体後のマグロの跡が置いてあります。完成されたマグロを解体していくという、壊していくことで完成に近づく逆転が面白い作品でした。

山元佑介さんInstagram:@yamaru_98

竹野優美さん(彫刻)

《めぐりの詩 今日もいい天気》
竹野優美/石、木、写真、麦藁、籾殻/インスタレーション

四季の景色を組み合わせてひとつの作品にした景色の作品と、そこでの営みを観ているようでした。彫刻のトラックや子豚、そしておばあちゃんと犬に愛嬌があって素敵でした。

竹野優美さんInstagram:@takenoyumi

小野海さん(彫刻)

《Prism-Aureola》
小野海/ジェスモナイト、発泡スチロール、ステンレスメッシュ、アクリル毛糸

色鮮やかな積乱雲のような作品、大量のアクリル毛糸で出来ていました。雲と毛糸の組み合わせは軽いもの同士、積乱雲の変わりやすい天気のように毛糸も安価さから変化した見た目となっているようでした。

小野海さんInstagram:@kai__ono

屋外には大型展示も

屋外にも広さを活かした大型作品が展示されていました。

中山ゆめおさん(デザイン)

《BOKETTO》
中山ゆめお/ミクストメディア

やじろべえみたいなものがいくつも置かれた作品。作者が海で過ごした時間から発想した作品で、風に揺れるように天板がゆらゆらとしている様子を、ただボケェっと観ていたくなります。

中山ゆめおさんInstagram:@art.yumeonakayama

東弘一郎さん(先端芸術表現)

《無限車輪》
東弘一郎/自転車、鉄

合計56個の車輪が連動して動き出す作品。とにかく大型作品が大好きなのが伝わってきて、卒展後も場所を変えて展示を計画中とのことでした。ちなみに、こちらの作品はサロン・ド・プランタン賞(卒業作品の中で、教授会が推薦した優秀作品に対して授与される賞)を授賞したそうです。

東弘一郎さんInstagram:@koichiro.azuma

渋井知輝さん(彫刻)

《童心のモニュメント》
渋井知輝/塩ビパイプ、単管パイプ、木材、frp、3Dプリント

一見どこにでもある遊具ブランコですが、ブランコの真下が大きくくり抜かれていました。穴の近くまで行きたいけど入れないようになっていて、底の深さを観てみたい!という探索心(=童心?)をくすぐられる作品でした。

続いて、東京都美術館内の展示へ

藝大内の作品紹介は以上です。続いて、東京都美術館内の展示へ移動します。

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ABOUT ME
よしてる
東京でアート巡りををしながら「アートの割り切れない楽しさ」を探究している理系男子です。会社員をしながら、週末アートウォッチをしています。 2021年から無理のない範囲でアート作品の購入も始めました。 好きな動物はうずら。

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