【作品の飾り方】10kg以上の絵画を壁に飾る|フック2つ掛けで重さ・大きさのあるアートを飾ってみよう!
今回は重さ10kg以上のアートを壁掛けで飾る方法をご紹介します。
- 重さのある平面作品を壁に飾る方法を知りたい。
- 大きさのある平面作品をバランス良く飾りたい。
- 見栄え良く飾る方法を知りたい。
そんな方向けに、平面作品を飾る高さ・横幅の調整方法から飾る場所の注意点までわかりやすくご紹介します。
今回は壁が石膏ボードで、壁を極力傷つけたくない方向けの壁掛け方法をご紹介していきます。
作品を壁に飾る前に確認したいこと2つ
①賃貸の場合は「賃貸貸借契約書」を確認
壁に作品を飾る場合フックなどで壁に穴を開けることになるケースが多いので、特に賃貸の場合は賃貸貸借契約書を確認すると安心です。
賃貸引き渡し時の費用負担をしたくない場合、一般的には下地ボードの張り替えが必要となるレベルの穴あけは避けた方が良いでしょう。
具体的には以下のようなイメージになります。
賃貸貸借契約書の「原状回復」に関する項目に記載があることが多いので、壁にフックなどを用いて作品を飾る場合は確認するようにしましょう。
②飾る場所の「環境面」を確認
飾る場所によっては作品の劣化につながる可能性があるので、作品にとってダメージの少ない場所を選びましょう。
気をつけたいポイントについては、以下記事にまとめています。
居住空間で全てをクリアするのは難しいと思いますが、可能な範囲で場所を選んでみましょう。
重い・大きい作品はフック2つ掛けがおすすめ
壁への傷を最小限に抑えつつ、重さのある作品を飾る場合はフックを2つ使って掛けるのがおすすめです。
フックを選ぶ際に、地震などの揺れによる衝撃にも耐えられるように、作品重量に対して2倍以上の耐荷重量があるフックを使うのが理想的です。
例えば、重さ15kgの作品なら30kgの耐荷重量があるフックが理想となりますが、このサイズ感となると壁に目立つ穴をあけて取り付けるフックとなってしまいます。
ここで、フックを2つ使うことにより、ひとつのフックにかかる負荷が1/2に分散できます。
重さ15kgの作品であれば30kgの耐荷重量を半分にできるため、耐荷重量15kg以上のフックを2つ用意すればいいことになります。
これであれば、壁に空ける穴を小さく抑えつつ、重く大きい作品でも飾ることができます。
その分、正確なフックの取り付けや、掛け紐をかけにくくなるなど、作業面で大変さが加わってくる点は注意しましょう。
用意する道具
作品の壁掛けのために用意する道具は以下の通りです。
代用できるものもあると思うので、必要なものだけ準備しましょう。
- フック・掛け具
壁美人はホチキスでフックを取り付けられるので、壁に開く穴が極小で目立ちにくくなる便利道具です。
他に、壁美人の耐荷重量は約6kg、約12kg、約18kgのものがあるので、作品に合わせて選びましょう。
- ホッチキス(壁美人で取り付ける場合に必要、180度開くものを用意)
- メジャー(巻尺部分が硬い素材だと使いやすい)
- 付箋やマスキングテープなど(フック取り付け位置の目印用に貼れるもの)
- コットン手袋(作品に皮脂や指紋を付けたくない場合)
- 水平器(フックや作品が水平かどうかを見たい場合)
※今回の実例では簡易的に、水平器はシルバーコンパスで代用してます。
※今回は使用していませんが、より正確に・簡単に取り付け位置を調整したい場合はレーザー墨出し器も便利です。
10kg以上の絵画の飾り方(壁美人使用)
壁掛け工程の概要は以下のとおりです。
各工程を写真付きの実例で解説していきます。
ステップ①:作品の飾る高さを決める
まずは、作品を飾る高さを決めます。
今回飾る作品はこちらです。
今回の作品の場合、作品の中に描かれている女の子の目と鑑賞者の目線が合うようにしたらいい感じでした。
なので、自分の目線の高さである155cmに、作品の女の子の目がくるように調整していきます。
作品を扱うときはコットン手袋などを使い、作品が汚れないように作業しましょう。
ステップ②:作品底辺から床までの長さを測る
まずは、
作品底辺から床までの長さ
= [ 目線の高さ(155cm)] ー [ 作品の女の子の目から作品底辺の長さ ]
をメジャーで測りながら求めていきます。
「作品の女の子の目から作品底辺の長さ」は38cmでした。
なので、
作品底辺から床までの長さ
= [ 目線の高さ(155cm)] ー [ 作品の女の子の目から作品底辺の長さ(38cm)]
= 117cm
となります。
ステップ③:作品底辺から掛け紐のしなり含む長さを測る
次に、
作品底辺から掛け紐のしなり含む長さ
= [ 作品底辺から掛け紐取り付け位置までの長さ ] + [ 掛け紐のしなる長さ ]
を求めていきます。
「作品底辺から掛け紐取り付け位置までの長さ」は49cmでした。
「掛け紐のしなる長さ」はフックを2つを当ててみたところ1cmでした。
なので、
作品底辺から掛け紐のしなり含む長さ
= [ 作品底辺から掛け紐取り付け位置までの長さ(49cm) ]+ [ 掛け紐のしなる長さ(1cm)]
= 50cm
となります。
ステップ②と③の値を足すことで、フックを取り付ける高さが求められます。
フックを取り付ける高さ
= [ 作品底辺から床までの長さ(117cm)] + [ 作品底辺から掛け紐のしなり含む長さ(50cm)]
= 167cm
となります。
ステップ④:フックを取り付ける横幅を決める
次に、フックを取り付ける横幅を決めます。
今回は壁の中心付近に飾ることを目標に、計算をしていきます。
フックを2つ取り付ける場合、フック同士をなるべく離して設置すると安定しやすくなります。
そのため今回は、作品の両端に近いギリギリの位置にフックを設置する形で進めます。
フックを取り付ける横幅の求め方を図解すると、以下のようになります。
左右のフック共に、
フックを取り付ける位置
= [ 壁から作品の端までの長さ ] (①)+ [ 作品の端からフックの端までの長さ ](②)
で求めていきます。
右側のフック取り付け位置
= [ 壁から作品の端までの長さ(43.5cm)] + [ 作品の端からフックの端までの長さ(1cm)]
= 44.5cm
左側のフック取り付け位置
= [ 壁から作品の端までの長さ(44cm)] + [ 作品の端からフックの端までの長さ(1cm)]
= 45cm
となります。
ステップ⑤:フックを取り付けて作品を掛ける
ステップ①から④までで決まった、フックを取り付ける位置をまとめると以下の通りです。
右側のフック取り付け位置 | 左側のフック取り付け位置 | |
縦 | 167cm | 167cm |
横 | 44.5cm | 45cm |
この位置に付箋などで壁を汚さないようにマーキングをして、フックを取り付けていきます。
フックをホチキスで1箇所仮止めした後に、水平器などでフックが平行に取り付けられているか確認すると、より綺麗に設置できます(今回はシルバーコンパスの泡で簡易的に測ってます)。
フック2つを取り付け終わったら、各フックの高さが同じ位置に設置してあることを確認します。
ここで高さにズレがあると、作品の重さをうまく分散できなくなるので注意しましょう。
大丈夫そうであれば作品の掛け紐をフックに掛けて、完成です!
完成
まとめ
今回はフックを2つ使用した、アートの壁掛けについてご紹介しました。
重さのある作品や、大きさのある作品を壁に飾ると、空間の雰囲気が一気に変わります。
ぜひ壁に掛けて、生活を共にする中で作品を楽しんでみてください。