アートギャラリーで芳名帳を書く意味とは(記帳で得られる情報とよくある疑問を解説)
ギャラリーに足を運んだ時に見かける「芳名帳」というノートや用紙を利用したことありますか。
芳名帳は鑑賞者が展覧会に訪れたことを知らせるだけでなく、ギャラリーや作家の次回展覧会情報をチェックしたい場合にも役立てることができます。
今回は初見では用途が分かりにくい芳名帳と、そこに情報を書く意味についてご紹介します。
ギャラリーでこんな紙やノート見たことありませんか
何気ないアート巡りのワンシーン。
そんな中で、こんなノートや用紙を目にしたことはありませんか。
説明書きがないまま置かれていることが多く、何に使われるのか知らない人もいると思います。
来場者名やDM送付先を記載する「芳名帳」
このような、ギャラリーに置いてあるノートや用紙のことを「芳名帳(ほうめいちょう)」といいます。
芳名帳は来場者が展示会に足を運んだ際に、自分の名前や連絡先を記入するための用紙のことです。
芳名帳を書く意味
芳名帳には以下のような情報を書くのが一般的です。
- 名前(あだ名を書く人もいます)
- メールアドレス
- 住所
これらの情報を記帳するとで得られることについてご紹介していきます。
①「名前」を書いた場合、来場履歴を残せる
「名前」を書いた場合、展覧会に来場したことをギャラリー、作家に伝えることができます。
顔見知りであれば、挨拶代わりに芳名帳へ記帳する人もいます。
ギャラリストや作家と面識がなくても、芳名帳に名前を書くことで心ばかりの作家の応援につながったり、定期的に通っていたら名前を認識してもらえることもあります。
名前は本名を記入するのが一般的ですが、SNSなどで使っているあだ名を記入する人もいます。
②「メールアドレス」を書いた場合、展覧会情報を受け取れることがある
名前に加えて「メールアドレス」を書いた場合、次回以降のギャラリーや作家の展覧会の案内をメールで受け取れることがあります。
展覧会情報を配信するメーリングリストに登録してもらえると、次回の展覧会情報をメールでチェックできるようになるので便利です。
作家が貸しギャラリーで開催している展覧会の場合は、作家から直接展覧会の情報をいただけるパターンもあります。
※これは、ギャラリーや作家がメーリングリストでの案内をしている場合に限ります。
③「住所」を書いた場合、DMを受け取れることがある
名前に加えて「住所」を書いた場合、次回以降の展覧会の案内をDM(ダイレクトメール)で受け取れることがあります。
展覧会の顔となる作品がプリントされるDMは受け取った時の特別感があり、それだけを飾って楽しむこともできます。
一方で、DMの場合は枚数に限りがあるので、定期的にギャラリーへ足を運んでいたり、作家の作品をコレクションしていたりする人に優先して郵送される印象があります。
より確実に展覧会情報をキャッチしたい場合は、メールアドレスを記帳するようにしましょう。
※これは、ギャラリーや作家がDMでの案内をしている場合に限ります。
④展覧会の感想やメッセージを残す人も
記載項目の指定がなく、白紙の芳名帳だと、展覧会の感想や作家へのメッセージを残している人も見かけます。
大抵は作家と顔見知りの人からのコメントだったりしますが、初めて作品を鑑賞した人からのメッセージも同じくらい嬉しいものになると思います。
もし、メッセージを書けそうな芳名帳であれば、ぜひ温かいメッセージも残してみてください。
芳名帳で鑑賞者が気になる疑問を解消
Q1 芳名帳は絶対に書かないといけないの?
A. 芳名帳の記入は任意なので、書かなくても大丈夫です。
展覧会の情報を受け取りたい場合や、作家へ応援の気持ちを残したい場合に書いてみましょう。
Q2 展覧会情報は欲しいけどセキュリティ面が気になる
A. セキュリティ面が気になる場合は、ギャラリーのスタッフに相談してみましょう。
ある展覧会では芳名帳の情報を盗み見した人が悪用した、という事例があるそうです。
芳名帳は個人情報が第三者に閲覧されやすいという特性上、目隠しがされたり、記入後に回収されたりと対策をしているギャラリーもあります。
一方で、セキュリティ対策レベルはギャラリーによって異なります。
メールアドレスや住所を記帳するのに抵抗がある人はギャラリースタッフに相談して、個別に個人情報を伝えるようにしてみましょう。
Q3 芳名帳を書く以外に作家の活動を追うには?
A. ギャラリーや作家のSNSをフォローするのがおすすめです。
現代では主にInstagramを利用して展覧会情報や作品をアップしている人が多いです。
Instagramを通じて、展覧会以外でギャラリーや作家の活動を知ることができます。
情報は能動的にチェックする必要がありますが、今後の活動をチェックしていきたい場合はSNSも活用してみましょう。
アート数奇ではギャラリーや作家のInstagramも掲載するようにしているので、気になるギャラリーや作家を見つけたら、ぜひフォローしてみてください。
近年は芳名帳を電子化するギャラリーも
近年は芳名帳を置かず、QRコードなどによるデジタル化をしているギャラリーもあります。
セキュリティ面ではこちらの方が安心ですね。
アナログの芳名帳は現地での交流という良さもありますが、時流に合わせた変化も進んでいるようです。
まとめ
特に若手作家にとって、芳名帳は来場者の数や何度目の来場なのかを知るための大切な情報源です。
コレクションはこれからでギャラリー巡りから始めている人も、名前を残すだけで作家の応援につながります。
芳名帳という暗黙の仕組みを知って、ギャラリーや作家の活動の応援や、展覧会情報キャッチに活用してみてはいかがでしょうか。