2023.03.26 2023.05.11

「アートフェア東京2023」鑑賞レポート｜32ギャラリー75作家の作品を観てフェアを擬似体験しよう

よしてる

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国内外から多種多様な作品が集結するアートの見本市「アートフェア東京」が2023年も開催。今年も多くのギャラリーでアートとの新たな出会い・再発見がありました。

今年はアートフェアだからこそできる多種多様な作品との出会いを疑似体験できるように、32ギャラリー75作家の作品を一挙にご紹介します！

これ程の数でも展示作品のほんの一部ですが、アートフェアの一端を体感いただきながら、次回以降のアートフェア参加の参考にしてみてください。

※本記事は画像が多いため4ページに分けています。読み込みが遅くなる可能性がありますので、ご了承ください。

Contents

アートフェア東京とは

アートフェア東京とは、国内外のギャラリーが一堂に参加するイベントで、古美術や工芸から日本画、近代美術、現代アートまで、幅広い作品のアートが展示販売される、日本最大級の国際的なアートフェアです。

近年は毎年春頃に東京国際フォーラムで開催されています。

2023年は国内外から合計144もの出展者が集い、アフターコロナを感じさせる賑わいを見せていました。

32ギャラリー75作家の作品を一気見

今年はアートフェアだからこそ楽しめる多種多様な作品との出会いを疑似体験できるように、国内外32ギャラリー75作家の作品を「有料エリアの国内・海外ギャラリー」、「無料エリア」に大別してご紹介します。

アートフェア東京には無料で作品鑑賞ができるエリアがあることは、意外と知られていません。エリアによってどんな展示の違いがあるかの参考にもしてみてください。

そして、作家のInstagramもわかる範囲で載せています。次回以降の展覧会鑑賞にも繋げられるので、気になる作品があったらぜひフォローしてみてください。

有料エリア：国内ギャラリー

1. 大雅堂（高崎洋祐）

ギャラリー情報
大雅堂｜Instagram：@gallery_taigado

高崎洋祐

現代ファッションを身にまとった女性の木彫作品。木彫ならではの彫り跡の模様もファッションの要素に反映されていています。

女性像を薬師如来像として制作した作品も並び、コロナに対しての希望の象徴、勝利宣言をしているようでした。

作家情報
高崎洋祐さん｜Instagram：@yosuketakasaki

2. GALLERY KOGURE（ESOW／LOTTA）

ギャラリー情報
GALLERY KOGURE｜Instagram：@gallery_kogure

ESOW

スケーターの経歴を持ち、スケートボードのグラフィックをきっかけに作品を制作するようになったというESOWさん。

40代くらいのおじさんをモチーフにした作品が特徴で、この作品は仁王像のように、口を開けた阿と口を閉じ吽が描かれています。

作家情報
ESOWさん｜Instagram：@esowom

LOTTA

黒猫の形をしたお化けのオリジナルキャラクター「ソックス」を描くLOTTAさんの作品。

お化けと言いつつも安心感だったり、癒やしを感じさせます。

作家情報
LOTTA（ロッタ）さん｜Instagram：@l_otta_work

3. TomuraLee（高松和樹／小澤香奈子／森村智子）

ギャラリー情報
Tomura Lee｜Instagram：@tomuralee

高松和樹

独特の遠近感で少女を描いているのが印象的な高松和樹さんの作品。

海の底に誘われているような雰囲気がありながら、可憐な姿をつい見入ってしまいます。

作家情報
高松和樹さん｜Instagram：@kazukitakamatsu777

小澤香奈子

フワフワなものに身を包み、無邪気に遊んでいるようなモチーフが印象的な、小澤香奈子さんの作品。

幼い頃の物怖じせず、無邪気に飛び込む姿が映し出されているように感じます。

作家情報
小澤香奈子さん｜Instagram：@kanakoozawa.works

小澤香奈子「しじまの空寝」｜無邪気で奔放な情景を思い出すアート

森村智子

一見何に描かれているのか考えてしまいますが、こちらの作品は流木の木口面に描かれています。

自然が生む偶発的な変形の上に独特の淡い色彩で描くことで、自然の振る舞いに人間が対応する必要性や、共存が美しさを生むことを伝えているようです。

作家情報
森村智子さん｜Instagram：@chishimorimura

4. 花田美術（Ilya Kuvshinov）

ギャラリー情報
花田美術｜Instagram：@hanada_gallery

Ilya Kuvshinov

「バースデー・ワンダーランド」や「攻殻機動隊 SAC_2045」のキャラクターデザインでも活躍の幅を広げているIlya Kuvshinov（イリヤ・クブシノブ）さんの描く作品にはデジタルならではの透明感があります。

主なモチーフとなる彼女自身にはバックストーリーを作って描くことが多いそうです。

作家情報
Ilya Kuvshinovさん｜Instagram：@kuvshinov_ilya

5. 川田画廊（塚本智也）

ギャラリー情報
川田画廊｜Instagram：@kawatagallery

塚本智也

作品を描く要素を赤・青・黄の三原色で構成し、影の色も同じく三原色を薄く重ねて表現している様子が特徴的な、塚本智也さんの作品です。

空気中の水分がカラフルに彩りを持っているかのようで、写真だとわかりやすいですが、作品をよく観察すると鹿や少女などが描かれています。

作家情報
塚本智也さん｜Instagram：@tomoyatsukamoto

6. カイカイキキギャラリー（Mr.／TENGAone／タカノ綾／ob）

ギャラリー情報
カイカイキキギャラリー｜Instagram：@kaikaikikigallery

Mr.

壁一面がMr.さんの作品で埋め尽くされたインスタレーション作品は、会場内でも一際存在感を放っていました。壁よりも高く上がった巨大な女の子のシェイプド作品は特に大迫力。

アニメやマンガ、ゲームなどの“かわいい”キャラクターを現代アートで表現した先駆者、Mr.さんの世界観を体感できます。

作家情報
Mr.さん｜Instagram：@misteryanen

TENGAone

トタンを用いたインスタレーションが独特な雰囲気を醸し出しているTENGAoneさんの展示。

木を段ボールのように掘り何かのキャラクターを描いた、偽物や偽りを意味する《ファブリケーションシリーズ》の作品も並んでいます。錆びたトタンの壁も相まって、消費されるモノへの疑問や固定概念が揺さぶられます。

作家情報
TENGAoneさん｜Instagram：@tengaone

タカノ綾

日本一高い建造物であるスカイツリーの頂上で、何かを宣言するように旗を掲げながらソフトクリームを食べている少女が描かれた、タカノ綾さんによる作品。

タカノ綾さんは日本の漫画や国内外の小説、神話の世界観などから受けるインスピレーションを源に、独特のイマジネーション世界を創造した作品を制作しています。

作家情報
タカノ綾さん｜Instagram：@takano.aya

ob

おとぎ話の世界で冒険をしているようなワンシーンが描かれている、優しい色合いの作品。丸い小窓を覗き込んでいるようで、思春期の思い描いていたものを見ているようです。

萌えや思春期の不確実性に光を当てて、そこに秘められた自己を進展させるエネルギーを感じます。

作家情報
obさん｜Instagram：@ob0o0

7. GALLERY TARGET（MHAK／高木耕一郎／dugudagii）

ギャラリー情報
GALLERY TARGET｜Instagram：@gallery_target

MHAK

MHAK（マーク）さんの代名詞であるモコモコの模様を「如何に簡潔に、存在感を持たせ、空間に馴染ませるか」をテーマにした作品がシェイプドキャンバスに描かれています。壁画のように壁一面に広がる迫力とはまた違った、図柄の要素自体の自由さ、流線美を感じます。

MHAKさんはLevi’s®、adidas、YONEX、THE NORTH FACなどのファッションブランドとのコラボでも話題を呼んでいます。

作家情報
MHAKさん｜Instagram：@mhak_

高木耕一郎

擬人化したカラフルな動物達が刺繍で描かれている、高木耕一郎さんの作品。親しみやすさと奇妙さが混在していて、独特な雰囲気を醸し出しています。

今回はお金や神様をテーマにした作品のようで、刺繍で描かれた英文からもユーモアを感じます。

作家情報
高木耕一郎さん｜Instagram：@koichirotakagi

dugudagii

透明なアクリルに草花とトイフィギュアが封入されている、dugudagii（ドゥグダギィ）さんのトイアート作品。中にはアメコミで見たことがあるキャラクターも作品となっていました。

中でも大型作品《Condensed Glare 01》はオレンジ色のオーラのような模様が浮かんでいて、加工時にインクが溶けた偶然性も感じます。

作家情報
dugudagiiさん｜Instagram：@dugudagii

8. MAKI Gallery（Michael Kagan／後智仁／タムラサトル）

ギャラリー情報
MAKI Gallery｜Instagram：@maki_gallery_tokyo

Michael Kagan

人類の限界を超えた偉業を捉えた作品を制作している、Michael Kagan（マイケル・ケーガン）さんの作品。2022年に同ギャラリーで宇宙飛行士をモチーフとした個展を開催していたのも記憶に新しいです。

自分の身長の何倍もある波に乗るサーファーの姿が描かれ、自然と対峙するものの真剣さ・勇敢さが伝わってきます。

作家情報
Michael Kaganさん｜Instagram：@mrkagan

マイケル・ケーガン「To The Moon」鑑賞レポート｜月面を歩く偉業と人類の限界への先進性を描いたアート

後智仁

多角形の面が集合しているように見える、後智仁さんの作品。遠目からじっくり観ると、金髪の人物が見えてきます。

元々のイメージの曲線から点を減らすことで、描かれているモチーフの意味が曖昧となっています。“直線化が起こす絵の崩壊とその段階”が描かれた作品は、イメージの持つ造形美の芯を描き出しているようでした。

作家情報
後智仁さん｜Instagram：@tomohitoushiro

タムラサトル

電気という現代文明に欠かせないもの、いわゆる社会インフラを使った作品を主に制作されている、タムラサトルさんの作品。電気回路には円形の鉄板があり、中心で回る鉄製の芯が鉄板と離れると、白熱灯が一瞬消える、という動きのある装置です。

現代を生きる上で欠かせない電気を鑑賞するものに変換するところに、実用性だけでは測れないものの価値を表現しているようでした。

作家情報
タムラサトルさん｜Instagram：@satoru_tamura_official