アートフェア
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「アートフェア東京2023」鑑賞レポート|32ギャラリー75作家の作品を観てフェアを擬似体験しよう

よしてる
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Q
Contents
  1. アートフェア東京とは
  2. 32ギャラリー75作家の作品を一気見
  3. 有料エリア:国内ギャラリー
  4. 有料エリア:海外ギャラリー
  5. 無料エリア:ロビーギャラリー
  6. まとめ

17. SH GALLERY(仲衿香/山口真人)

ギャラリー情報
SH GALLERY|Instagram:@sh_gallery_tokyo

仲衿香

アンドロイドのスマホに登場するマスコットキャラ、通称ドロイド君が描かれた、仲衿香さんの作品。サビによる劣化が起きているような表現が特徴的です。

スマホを乗り換えた途端に疎遠になるキャラクターで、そんな日常に潜む認識の薄れが描かれているようです。

  • 作家情報
    仲衿香さん|Instagram:@u_n_b
仲衿香「Not Found」|意味を保存した現代の風景画
仲衿香「Not Found」|意味を保存した現代の風景画

山口真人

迷彩柄を纏った女性がスマホを構えて写真を撮っていたり、Instagramのストーリーのような表現をしている、山口真人さんの作品。現実の自分を隠し、周囲に溶け込みながら虚像を発信している現代のリアルが描かれているようです。

山口真人さんは相手の姿形や存在自体を実際に確認していないにも関わらず、そこにリアリティを覚える感覚をトランスリアリティと名付け、これをコンセプトとした作品を展開されています。

  • 作家情報
    山口真人さん|Instagram:@yamagch
MAKERS SPACE×山口真人「stay pixelated」|デジログの境界線をみるアート
MAKERS SPACE×山口真人「stay pixelated」|デジログの境界線をみるアート

18. MU GALLERY(山田美優/KAZUSA MATSUYAMA)

ギャラリー情報
MU GALLERY|Instagram:@mu_gallery_tokyo

山田美優

わたあめのような顔をしたモチーフが描かれた、山田美優さんの作品。キャンバス上に砂を素材にした画材を厚塗りしているのが特徴的です。

モチーフとなっているアイコンは時代や社会の流れの狭間に生きる誰かを投影しているそうで、タイトルにあるA、Bといった表記も、その匿名性を強調しているように見えます。

KAZUSA MATSUYAMA

表情に余白があり、画面全体からどんな人物なのかを推察してしまう、KAZUSA MATSUYAMAさんの作品。「Anonymous Portraits」(匿名性のある肖像画)シリーズの作品で、シンプルな背景に、影が描かれていないのも特徴的です。

幻想を意味するタイトルも含め考えてみると、雑誌に載るような有名な存在になるには乗り越える壁が多い状況に見えてきます。

19. MA2Gallery(手塚愛子/樋口明宏)

ギャラリー情報
MA2Gallery|Instagram:@ma2gallery

手塚愛子

織物の横糸を抜き取り、画面上を霞ませるように模様を入れた、手塚愛子さんの作品。織物の解体と再構築という独自の手法を用いています。

絵画の不可逆な構造を解明する方法として、生成過程を巻き戻しできる織物や刺繍に着目し制作しています。

  • 作家情報
    手塚愛子さん|Instagram:@aikotezuka

樋口明宏

仏像のような頭の顔が少女マンガのキャラクターの容姿に変換されている、樋口明宏さんの作品。マンガで描かれるような線がところどころに描かれ、見る角度によって平面的な感じ方もできます。

仏像と少女マンガという、異なる文化をつなぎ合わせて新たな気づきへ誘うようでした。

20. KOSAKU KANECHIKA(青木豊/舘鼻則孝)

ギャラリー情報
KOSAKU KANECHIKA|Instagram:@kosakukanechika

青木豊

アルミニウムを素材にして、展示空間の光を反射して質感が強調されている、青木豊さんの作品。

制作には一貫して光への眼差しがあるそうで、特に光が時間軸、鑑賞者、展示環境という要素に補完され豊かな立体感が表現されています。

舘鼻則孝

花魁に関する研究や友禅染を用いた着物や下駄の制作で知られる、舘鼻則孝さんの作品。高下駄に着想を得たヒールレスシューズの作品は、シンガーソングライターのLADY GAGAさんが愛用したことでも有名です。

稲妻をモチーフにした平面作品も、そこには神社とかでよく見る白い紙を細く切ってジグザグに折った紙垂から着想を得ているようで、江戸時代から続く文化を再発見できるような作品です。

21. ギャラリーセラー(岡本太郎/細川真希)

ギャラリー情報
ギャラリーセラー|Instagram:@gallerycellar

岡本太郎

太陽の塔や明日の神話で知られる岡本太郎さんの作品。鼻筋から口まで線で繋がった特徴的な顔や、曲線を描いた立体作品も展示していました。

燃えるような筆致を通じて、決めたことに一貫して取り組む様子が伝わってきます。

【作品解説】明日の神話(岡本太郎)|悲劇を乗り越える人の強さを描いたアート
【作品解説】明日の神話(岡本太郎)|悲劇を乗り越える人の強さを描いたアート

細川真希

西洋絵画のなかでも知名度が高いヨハネス・フェルメールさん(Johannes Vermeer、1632 – 1675、オランダ)の《真珠の耳飾りの少女》や、サンドロ・ボッティチェッリさん(Sandro Botticelli、1445 – 1510、イタリア)の《ヴィーナスの誕生》をモチーフにした作品。

名画の中でとことん楽しむように描かれたキャラクターたちの姿が印象的です。

22. たけだ美術(篠原有司男/田中敦子/横尾忠則)

ギャラリー情報
たけだ美術|Instagram:@takedaartco

篠原有司男

代表作《ボクシング・ペインティング》で知られる、篠原有司男さんの作品。ダンボールや針金、何かの切れ端などを寄せ集め造形されているような見た目で、エンジン音が聞こえてきそうです。

篠原有司男さんは1960年に吉村益信さん、赤瀬川原平さん、荒川修作さんなどとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成し、従来の一切の芸術概念に反旗を翻した「反芸術」を実践された方でもあり、その活動は短期間ながら日本の美術史に大きな足跡を残しています。

田中敦子

色鮮やかな円と線が重ねられた、田中敦子さんの作品。電球や電気コードから着想を得ているそうで、全ての縁に必要なコードをつなぎあわせるように線が張り巡らされています。

田中敦子さんは戦後に活動した前衛グループ「具体美術協会」メンバーでもあり、草間彌生さん、オノ・ヨーコさんと並び知られる作家で、代表作には《電気服》などがあります。

横尾忠則

肌を紅潮させたような人物が印象的な、横尾忠則さんの作品。シュールな要素が描かれた中心に立つ女性は堂々とした美しさを放っています。

ひとつの作風に捉われない、多彩な作風で知られる横尾忠則さんの中でも、ピンク色の肌をした女性が描かれた《PINK GIRL(ピンクガール)》は代表的なシリーズのひとつです。

23. TARO NASU(サイモン・フジワラ/Ryan Gander/Lawrence Weiner/田島美加)

ギャラリー情報
TARO NASU|Instagram:@taronasu_tokyo

サイモン・フジワラ

くまとハチミツの組み合わせからあるキャラクターが連想される、サイモン・フジワラさんの作品。このクマのキャラクターはおとぎ話や空想文学、アニメ、テーマパークの世界観から着想を得て生まれた漫画のキャラクター「Who the Bær」です。

資本主義的な娯楽文化を個人的な視点から探る作品には、資本主義社会が生む価値の在り方を軽快に問うているようです。

  • 作家情報
    サイモン・フジワラさん|Instagram:@simon.fujiwara

Ryan Gander

壁にポツンとある、釣り銭の受け皿と大量の硬貨。壊れているのか、硬貨が溢れるように出てきています。

この作品を制作したRyan Ganderさん(ライアン・ガンダー)はコンセプチュアル・アートの旗手として知られる作家で、鑑賞者へ問いを投げかけ、新しい発見に繋げる鑑賞体験を生み出す作品が特徴的です。

Lawrence Weiner

コンセプチュアル・アートの旗手として知られるLawrence Weinerさん(ローレンス・ウィナー)。代表的なタイポグラフィを用いた作品を展示していました。

「± ON THE CUSP(±の変わり目にいる)」と読める英語が行き止まりの壁面に描かれ、壁の向こう側にもマイナスの世界が広がっていることを想像させます。

田島美加

田島美加さんの代表的なシリーズである、ジャカード織のペインティング《Negative Entropy》と、アクリル板に着彩した《Art d’Ameublement》を展示していました。

素材を見ると何かを色彩に変換して織物に織り込んでいるように見え、色彩の刺激から物事を捉えているようでした。

  • 作家情報
    田島美加さん|Instagram:@mikadogs

24. WAITINGROOM(藤倉麻子)

ギャラリー情報
WAITINGROOM|Instagram:@waitingroom_gallery

藤倉麻子

藤倉麻子さんの作品の世界観で覆われたブースでは、CGによる映像作品と立体作品が出展されていました。水道管やコンテナといった工業製品が意志を持って自生しているような、独特な世界が表現されています。

展示空間も含めて楽しめるインスタレーションにもなっていて、CG上と現実空間で異なる挙動の差を観察し、楽しむことができました。

  • 作家情報
    藤倉麻子さん|Instagram:@asakurage
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  1. アートフェア東京とは
  2. 32ギャラリー75作家の作品を一気見
  3. 有料エリア:国内ギャラリー
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よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
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