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「ルパン三世 核心と革新」|半世紀も心盗まれる魅力を知る

よしてる
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今回は日本橋三越本店 本館にて開催したアニメ・ルパン三世の放送開始から50周年を記念した展覧会「ルパン三世 核心と革新」の模様をご紹介します。

この記事を読むとこんなことが分かります。

  • 「ルパン三世 核心と革新」イベントブースをメインに、メイン会場の内容も知れる
  • 半世紀ルパン三世が愛されている理由を知れる
  • ルパン三世の名言を知ることができる

泥棒なところ以外、人生の教科書にしているルパン三世、その50年分の歴史を知れる展覧会でした。メイン会場は撮影禁止だったので、今回はイベントブースをメインに、メイン会場の感想も交えてご紹介します!

ルパン三世とは?

ルパン三世とは、怪盗アルセーヌ・ルパン(ルパン一世)の孫、ルパン三世と個性豊かな面々が繰り広げる、ハードボイルド、スリリング、コミカル、エキセントリックな物語です。

1967年にモンキー・パンチさんが生み出したコミックからスタートし、1971年にテレビアニメ化されてからは映画、OVA、ゲーム化などの各種メディアで展開されています。

2021年はアニメ化から50周年が経過し、半世紀超えてなお幅広い層からの人気を得ています。

展覧会コンセプト「核心と革新」の意味

ルパン三世は、移りゆく時代の中で、世代を超えて多くの人を魅了しています。

なぜ世代を超えて愛されているのか、それは、時代の変化がルパン三世の世界にも反映されていく一方で、ルパン三世の在り方が変わらないからだと思います。変わりゆく時代に合わせながらも、変わらない本質を味わえる構成となっています。

展覧会の中では、核心を守りながら新たな時代を反映し、革新に挑んできた50年分の歴史を知ることができます。

展示から感じるルパン三世の魅力

メイン会場では各時代の背景やカルチャーなどを交えながらルパン三世の歴史を紹介する内容でした。原画に絵コンテ、企画書、作家陣のインタビューなどもあり、制作の裏側を知ることができましたが、メイン会場は撮影禁止だったのが残念。。

なので、今回はイベントスペースの模様から、展覧会の空気感を味わっていきましょう。

フォトスポット「ルパン一味」

メイン会場から出ると、ルパン一味とのフォトスポットがありました。カラー版が2021年版のルパン三世、その背景に映るのが初期のルパン三世。

時代の流れとともに、大人向けから子どもにも親しみやすいイラストに変化していったのが分かります。

フォトスポット「ごくろうさん」

ルパン三世が予告場や置手紙に描くシンボルマーク。

映画「カリオストロの城」に登場するイラストと同じものでしょう。

みんなで投票する「史上最強のライバル」

これまで登場した代表的なライバルの中から、史上最強のライバルを選ぼう!という企画も開催していました。

PART1に登場する白乾児(パイカル)と、PART4に登場するニクスがいい勝負となっていました。

原点回帰の「LUPIN THE ⅢRD」シリーズ

次元大介の墓標(2014)
血煙の石川五ェ門(2017)
峰不二子の嘘(2019)

モンキー・パンチさんの原作に漂う、アダルトで危険な一面にフォーカスしたシリーズのフォトパネルが展示してありました。

モンキー・パンチと大塚康生の描くルパン三世

モンキー・パンチのルパン三世

モンキー・パンチさんのルパン三世。今のルパン三世と違って、モンキー・パンチさんの描くルパン一味って渋くてかっこいいんですよね。

モンキー・パンチさんは当時としては珍しいAppleのパソコンの初期からのユーザーとしても有名で、いち早く漫画のデジタル表現にも着手されていました。

大塚康生のルパン三世

アニメ ルパン三世 PART1の作画監督を務めた大塚康生さんのルパン三世。

「乗り物メカを描かせたら右に出る者がいない」といわれていて、作画からも構造を理解した上で描く実証主義を大切に制作されていたそうです。

また、メイン会場の展示の中で紹介されていたことの中で印象的だったのが、あえて目元をアンシンメトリーにしているということ。アニメ制作を進める中で、鼻を中心に、右目と左目の距離を均等に描かないなど、アンシンメトリーの要素を入れるようにと指示を出していたそうです。

その背景には、自然にあるものはアンシンメトリーであることが多く、その光景が心地よいという経験から、アニメにもその要素を持ち込めないかと考え、取り入れた手法なのだそうです。

ちなみに、ルパンの愛車「フィアット・500」は、実は当時大塚さんが所用していた愛車だったそうです。(カリオストロの城に出てくる、あの車です。)

勇気を貰えるルパン三世 名言3選

展覧会で出会った言葉を含めた、ルパン三世の名言をご紹介します。

名言1:自分で決めなきゃ明日は開かれねぇんだぜ

2012年に放送されたTVスペシャル第23弾「ルパン三世 東方見聞録〜アナザーページ〜」での言葉です。

真実を教えられても「自分の目を信じる……でもわからない。」と精神的な弱さを見せるヒロインに対して、「その甘え、そろそろ卒業しなくちゃなぁ。」といった後の一言です。

1つを選択することは、他の選択肢を捨てることでもあります。

選択肢を捨てるのが怖くても、迷うことに時間を使ってしまえば、今日という時間は何も起こらずに終わってしまいます。

明日を開くための勇気づけになる言葉です。

名言2:自我に目覚めた少年少女たちのために、この世の森羅万象を笑い飛ばしてやらねばならぬ

展覧会の設定集の中に描かれていた、ルパン三世 PARTⅡのその後をつづった文章の中にあった言葉です。

苦境にあるほどルパンが笑みを浮かべる理由が、この一言に詰まっているなと感じました。

名言3:終わりが来るその日まで、俺はルパン三世でいたいんだよ

ルパン三世 PART5の23話「その時、古くからの相棒が言った」に出てくるルパン三世と次元大介の会話シーンでの一言です。

デジタル時代の波についていけないと感じる次元が泥棒引退の話をした際に、ルパン三世が答えた言葉です。

時代が変わろうと核心は揺るがない、そんな想いが強く表れています。

会話でみた方がしっくりくるので、ぜひ文章でご覧ください。

(ルパン三世:ル、次元大介:次)
次:ルパン、ここらが潮時じゃねぇか。・・・引退しろよルパン。悔しいが、時代は変わったらしい。
ル:あぁ、そうかもしれねぇな。
次:正直俺は、最近の世の中ってやつについていけないところがある。もっとシンプルなのが俺は好きなんだ。
ルパン、お前との付き合いは俺が一番古い。お前に引導を渡せるのは俺だけだ、不二子なんかにやれるかよ。
ル:・・・その時古くからの相棒が言った、引退しろと。敵は強い。ひょっとしたら今までで最悪の敵かもしれない。仲間たちは皆傷つき、戦う意思を失っている。
どうなるんだルパン三世、果たして逆転の秘策はあるのか。
次 :おいルパン。
ル:なぁ次元。こうしてるとさ、聞こえてこねぇか。いい音楽がさ。
次:音楽?
ル:主人公が逆転するときにかかる、カッコいい奴だよ。
次:ルパン、人生は物語じゃねぇぞ。
ル:なら物語にすればいいじゃねぇか。
次:なんだって?
ル:俺って人生の視聴者は俺だけだ、だったら俺が続きを観たくなるような物語じゃないと意味がないだろ?
次:!?
ル:すごいピンチだけど、あいつどうやって切り抜けるんだろう、強すぎんじゃねぇかこの敵、こっからどうやって勝つのかな~ってな。俺は俺に期待したいんだよ。
次:結末がお前さんが望んだもんじゃなかったらどうする。
ル:チックショウ気持たせやがって、逆転は次回までお預けか。
次:その逆転がいつまで待っても来なかったら?
ル:そんときは俺っていう視聴者はいなくなる。
次:?!
ル:だからよ次元、終わりが来るその日まで、俺はルパン三世でいたいんだよ。
次:・・・ルパン、俺も聞こえてきたぜ、俺の、俺だけの音楽が ・・・。

2021年10月からルパン三世 PART6がスタート!

2021年10月からはルパン三世 PART6がスタートします。

時代とともに歩んできたルパン三世、2021年を代表する出来事をどう作品に落とし込んでいるのか、今から楽しみです。

個人的には、盗まれるたとしても証跡が残るといわれているNFTアートすら盗んでしまうのではないかと思ったりしています。

初代次元大介役の小林清志さんが勇退

そして、ルパン三世アニメ化50周年という節目に、次元大介役を努めてきた小林清志さんが勇退され、大塚明夫さんに交代となります。

88歳まで続けていたこと自体すごいことです。

年を重ねてこそ感じる、深みのある次元がきけなくなるのは残念ですが、小林清志さんも「我儘を⾔えば 90 歳までやっていたかったが残念。」とコメントされていて、悔しさもあったのだろうなと思います。

1971年のアニメシリーズ開始から唯一、初代として約50年間、次元大介に命を吹き込み続けてきた小林清志さんのコメントが掲載されていましたが、もはや次元の言葉そのものでした。

・・・ただ、次元はそんじょそこらの悪党とは違うぞ。
江⼾のイキというもんだ。変な話だが、次元は江⼾っ⼦だ。
明夫ちゃん、これは難しいぞ。
雰囲気は JAZZ にも似ているんだ。・・・

ルパン三世 PART6より引用

放送初回は、小林清志さんが最後に次元を演じる作品となる「EPISODE 0 ―時代―」を放送するようです。

まとめ:変わる景色と、変わらない在り方

「ルパン三世 核心と革新」の模様をまとめていきました。

長年愛されていくものの中には、時代の変化をしっかりとキャッチアップしながらも、在り方を変えない強さがあることを感じました。

これからのルパン三世の歩みにも期待が高まります。

展示会情報

展覧会名ルパン三世 核心と革新
会場日本橋三越本店 本館7階 催し物会場
東京都中央区日本橋室町1-4-1
会期2021年9月3日(金)~9月13日(月)
開場時間10:00〜18:30(19:00閉場)
※最終日は17:30まで(18:00閉場)
サイトhttps://www.mistore.jp/store/nihombashi/event_calendar/lupin3rd-50th.html
観覧料特典つき 1,500円(税込)
特典なし 1,000円(税込)
作家情報銭形警部|twitter:@Zenitter2017

関連書籍

  • モンキー・パンチさん
  • 大塚康生さん

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ABOUT ME
よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
好きな動物はうずら。
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