アート探究
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【美術館だけじゃない】アート鑑賞ができるスポットを9つご紹介|場所ごとの特徴を解説

よしてる
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アート鑑賞スポットとしてまず思い浮かぶ美術館。

それ以外にも、例えば無料でアート鑑賞ができる場所が数多く存在します。

そこで今回は、アートコレクターの視点からアート鑑賞スポット9種類をピックアップし、展示場所の特性や特徴についてご紹介します。

地図や名称で場所をチェック!

「アート鑑賞=美術館に行く」だけじゃない

アート鑑賞に行こうと思ったとき、まず思いつく場所が「美術館」です。

例えば、フェルメール展やゴッホ展など、美術館で開催される人気な展覧会には入場規制が敷かれるほど多くの人が集まります。

この盛り上がりは統計からも垣間見ることができ、2019年のアートニュースペーパー(ロンドン)調査による「世界の展覧会ごとの1日あたり来場者ランキング」によると、トップ10のうち3つが東京開催の展覧会で、ひとつの都市としては最も多くランクインする結果となっています。

このように、日本では「アート鑑賞=美術館に行く」というイメージが先行していますが、美術館だけがアート鑑賞できる場所ではありません。

美術館以外にも、アートと巡り合える場所はたくさんあります

その例をまとめるとこの通り。

それぞれの場所ごとに特徴があるので、ここでは私自身がこれまでアート鑑賞してきた体験を元に、なるべく一般的な内容でまとめていきます。

アート鑑賞ができるスポット9つ

①ギャラリー・画廊

biscuit gallery(渋谷) 展示風景
展示の特徴ギャラリー所属作家はじめ、現存作家の作品を鑑賞できる
作家の新作発表の場
ギャラリーによっては物故作家やオークションなどで入手した作品販売もしている
展示規模小規模
会期およそ1〜2週間程度
入場料ほとんどが無料(作品発表と販売を目的としていることが多いため)
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKである場合が多いです)
作品購入可能(場合によっては非売やプレビュー期間で完売していることもあります)
おすすめの利用シーン特定の作家の作品を観たいとき
特定の作家の作品を購入したいとき
お出かけ先の立ち寄りスポットとして
例えばこんな場所Kaikai Kiki Gallery(東京・元麻布)
KOTARO NUKAGA(東京・天王洲)
HIRO OKAMOTO(東京・神宮前)
GALLERY TARGET(東京・原宿)
biscuit gallery(東京・渋谷)
ペロタン東京(東京・六本木)

ギャラリー・画廊とは、美術作品の展示、販売をしている施設のことです。

さまざまな地域に点在していて、規模もそこまで大きくないところが多いので、外出先でも数十分程度で巡ることができます。

数人しか入れないプライベート感から、心理的に入りにくいと感じやすいですが、作家やギャラリーのスタッフとしては、“より多くの人に作品を観てほしい”と考えていることがほとんど

作品を鑑賞するだけでもむしろ大歓迎で、作品について知りたい場合はスタッフに聞くと分かる範囲で教えてくれることも。

また、現存作家の新作展示の場となっているケースが多いので、美術館によくある宗教画や物故作家といった歴史的な作品とは異なり、作品を購入できるのも大きな特徴です。

ちなみに、ギャラリー・画廊の中にも2種類あり、

  • 企画画廊(コマーシャル・ギャラリー:ギャラリストと作家が一緒になって作品展示をする場所)
  • 貸画廊(レンタル・ギャラリー:展示空間を作家が借りて作品展示をする場所)

があります。

具体的なギャラリーの展示模様はアート鑑賞レポートにもまとめているので、ぜひ雰囲気を味わってみてください。

②百貨店

西武渋谷 美術画廊の展示風景
展示の特徴現存作家の新作発表の場
オークションなどで作品を調達し取り扱うセカンダリー・ギャラリーも多い印象
展示規模小〜中規模
会期およそ1〜2週間程度
入場料ほとんどが無料(作品発表と販売を目的としていることが多いため)
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKである場合が多いです)
作品購入可能
おすすめの利用シーン特定の作家の作品を観たいとき
特定の作家の作品を購入したいとき
新作に限らず、過去作を鑑賞してみたいとき
例えばこんな場所日本橋三越本店 コンテンポラリーギャラリー(東京・日本橋)
伊勢丹新宿 アートギャラリー(東京・新宿)
西武渋谷 美術画廊(東京・渋谷)

百貨店内にもギャラリーや画廊が併設されているケースがあります。

百貨店は人の出入りが多いので心理的に入りやすく、アート作品を気軽に鑑賞しやすい場所ではないでしょうか。

展示作品は基本的にギャラリー・画廊と同様に、現存作家の新作発表をしていたり、個人的にはオークションなどで作品を調達し取り扱うセカンダリー・ギャラリーも多い印象があります。

そのため、既に市場に流通している作品の鑑賞もできる場合があります。

一方で、セカンダリー・ギャラリーで作品購入する場合にはそれなりの価格である場合がほとんどなので、マーケットでの相場をある程度知った上で鑑賞を楽しみましょう。

③美術館

森美術館 展示風景
展示の特徴美術館が所蔵している作品を鑑賞できる
歴史的なアート作品を観れる
企画によっては海外の作品も鑑賞できる
展示規模大規模
会期1〜3ヶ月程度
入場料企画展示:有料(1,000円以上が多い)
常設展示:無料または有料(500円程度が多い)
撮影展示内容によっては可能(撮影不可の展示もある)
作品購入不可(ミュージアムショップでのグッズ購入はできる)
おすすめの利用シーン国内外で有名なアート作品を鑑賞したい
歴史的に貴重なアートに触れたい
デートスポットとして
例えばこんな場所国立西洋美術館(東京・上野)
東京都現代美術館(東京・清澄白河)
森美術館森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)
国立新美術館(東京・六本木)

美術館とは、アート作品や資料の保存、修復、管理、調査研究、さらには美術を中心とした文化に関する教育と普及も担う場所です。

ギャラリーが新作発表の場ならば、美術館は“日本のアートを歴史として文脈化し、美術史にのせていく場”と考えることができます。

展示方法には主に

  • 常設展示
  • 企画展示

の2種類があります。

常設展示は美術館が所蔵する作品を展示するもので、例えば国立西洋美術館の前庭にあるロダンの作品などがこれに該当します。

企画展示はあるテーマに沿って美術館の収集作品や外部から一時的に作品を借りて展示するもので、例えばフェルメール展やゴッホ展などがこれに該当します。

近年は国立新美術館のように作品を所有しない美術館もあり、企画展示に特化した施設もあります。

④​​オルタナティブ・スペース

銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM 展示風景
展示の特徴美術館やギャラリーと比較すると、自由で柔軟な表現が可能なアートスペース広々とした空間を活かした大型作品が展示されていることも
アートの展示空間としてだけでなく、カフェやバーを併設して、普段から一般客に開放していたり、多ジャンルのイベントにも活用されている
展示規模中〜大規模
会期およそ1〜3週間程度
入場料イベントによっては有料
撮影展示内容によって変動
作品購入個展などの場合は購入可であることもあるが、展示内容によっては非売の場合が多い
おすすめの利用シーンイベントの一種としてアート鑑賞を楽しみたいとき
デートスポットとして
例えばこんな場所スパイラルガーデン(東京・南青山)
銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(東京・銀座)

オルタナティブ・スペースとは、美術館やギャラリーとは違い、多目的に利用されるアートスペースや展示空間のことです。

その特性上、これまでの制度では扱われにくいテーマをオルタナティブに(代替して)取り入れた展示を発表できる場となることもあります。

例えば、南青山にあるスパイラルガーデンでは有名コレクターのコレクション展やインテリア、アクセサリーブランドの販売、シネマ上映まで、多目的に利用される空間となっています。

飲食店やカフェが併設されている場所もあるので、デートスポットとして立ち寄りやすいのも特徴です。

時期によってアートが観れない場合もありますが、その街にアートが溶け込み、表現されてる空間となっているので、アート+地域を楽しめる場ともいえます。

⑤アートフェア

アートフェア東京2022 展示風景
展示の特徴アートの見本市
一堂にたくさんのアート作品と出会える
アートファン同士の情報交換をする場にも
展示規模大規模
会期3〜5日程度
入場料有料(およそ2,000円以上が多い)
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKである場合が多いです)
作品購入可能
おすすめの利用シーン初めてのアート作品購入のとき
たくさんの作品を一挙に観たいとき
まだ見ぬ作家の作品に出会いたいとき
例えばこんな場所[国内]
アートフェア東京(東京・有楽町)
ART OSAKA 2022(大阪市内)
ACK:アートコラボレーションキョウト(京都市内)
アートフェアアジア福岡(福岡市内)
[海外]
アートバーゼル(スイス、アメリカ、香港などで開催)
フリーズ(イギリス、アメリカ、などで開催)
FIAC:国際コンテンポラリー・アートフェア(フランスで開催)

アートフェアとはギャラリーの団体戦で催されるイベントで、作品が一堂に集まるアートの見本市です。

東京や大阪、京都、福岡など全国で開催されていますが、今のところ最も規模が大きいとされているのがアートフェア東京で、毎年春頃に東京国際フォーラムで行われています。

海外の場合は、スイスのバーゼルで開催される「アートバーゼル」は半世紀もの歴史があり、出展ブース数、動員数とも最大規模といわれています。

会場はお祭りのような雰囲気で、アート鑑賞を目的に足を運ぶ人も多いため、「好みのアートってなんだろう?」と思っている人にこそ行ってみてほしい場所です。

また、展示スペースごとにギャラリーの個性が見てとれるので、作品のラインナップが気になるギャラリーがあったら後日、そのギャラリーで開催される展覧会に足を運んで見るのもおすすめ。

⑥アートイベント

MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 展示風景
展示の特徴作家が主体となって作品を発表している
一堂にたくさんのアート作品と出会える
アート以外にもステージイベントや飲食、カフェなど多彩な催しを用意していることもある
展示規模大規模
会期3〜5日程度
入場料イベント内容によっては有料
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKである場合が多いです)
作品購入可能(作品展示のみの場合もある)
おすすめの利用シーンイベントのひとつとして気軽にアートを楽しみたい
たくさんの作品を一挙に見たい
まだ見ぬ作家の作品に出会いたい
例えばこんな場所GEISAI(東京・有明)
MEET YOUR ART FESTIVAL(東京・恵比寿)
六本木アートナイト(東京・六本木)

見た目はアートフェアと似ていますが、ギャラリーとしての出展ではなく、作家が主体となり出品しているイベントを、ここでは便宜上アートイベントと呼ぶことにします。

ギャラリー所属有無にかかわらず、幅広い作家の作品を鑑賞できるのが特徴です。

日本でのアートマーケットの生成に寄与する影響力を持つものから、飲食店やステージパフォーマンス、トークセッションなども催されるイベント寄りのものもあるので、イベントのひとつとして気軽にアートを楽しみたい人におすすめです。

⑦オークション下見会

SBIアートオークション下見会 展示風景
展示の特徴セカンダリーマーケットに流通している作品を鑑賞できる
市場での作品の評価を垣間見れる
ギャラリーや展覧会とは違い、壁一面に作品が展示された玉石混交の展覧会となっている
展示規模中規模
会期およそ1〜3日
入場料無料
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKの場合もある)
作品購入可能(オークションにて落札)
おすすめの利用シーン既に市場に流通している作品を観たい
ギャラリーや美術館とは違う雰囲気を味わいたい
作品の価値を示すバロメーターを数値的に知りたい
例えばこんな場所SBIアートオークション(東京・代官山)
NEW AUCTION(東京・渋谷)

オークション下見会とは、アートオークション前に開催される、出品作品の展示会です。

作家の元から離れたアート作品を再び鑑賞できる機会は少ないですが、オークションに出品されることで、再度作品を観ることができます。

下見会はオークション参加者向けに、作品のコンディションを直接チェックするために開催されるものですが、オークションに参加しなくても自由に作品の鑑賞ができる場合があります。

無料でセカンダリーマーケットに流通している作品を鑑賞できるので、ギャラリーとはまた違った鑑賞体験ができるのが特徴です。

⑧美術大学・大学美術館

東京藝術大学
展示の特徴学生による制作作品を鑑賞できる
文化祭や卒業制作発表の機会に作品を展示している
美術大学ならではの企画展も開催している
展示規模中〜大規模
会期およそ1週間〜1ヶ月程度
入場料有料(数百円〜数千円)
※卒展や文化祭などは無料で鑑賞できる場合が多い
撮影可能(撮影可能の表示が無くても、スタッフに確認したらOKである場合が多いです)
作品購入不可の場合が多い
おすすめの利用シーン大学美術館ならではのコレクションを観たい
学生の作品を観てみたい
文化祭的な賑やかな雰囲気の中で鑑賞を楽しみたい
例えばこんな場所東京藝術大学大学美術館(東京・上野)
武蔵野美術大学美術館(東京・鷹の台)
東京造形大学附属美術館(東京・八王子)
藝大卒展(東京・上野)
五美大展(東京・六本木)

美術大学では、大学内に併設されている大学美術館で企画展を開催したり、文化祭や卒業制作の発表をしていることがあります。

大学ごとに特色のあるコレクション展からテーマを決めた企画展示、芸術系大学関係者の展覧会まで、大学によって企画展は多種多様です。

また、文化祭や卒業制作発表などのタイミングに、校内で作品発表をしていることもあります。

特に、卒展は在学中の集大成を発表する場となっているため見応えがあり、アート関係者も多く訪れます。

⑨オープンアトリエ

山口歴さん個展「SHADEZ OF BLUE」 アメリカのスタジオ再現風景
展示の特徴特定の作家の画室や工房を見学できる
招待制が多い
展示規模小〜中規模
会期不定期
入場料無料
撮影作家の意向による
作品購入作家やギャラリーの意向による
おすすめの利用シーン特定の作家の制作現場を観たい
作品の制作背景をより深く知りたい
例えばこんな場所各作家のアトリエ

オープンアトリエとは、作家が作品を制作している現場を開放し見学できるようにするものです。

基本的には招待制で、作家との接点がある場合に立ち入れる場所というものですが、場合によっては作家が一般向けに開放することもあります。

そのため、直接交流がない作家でも鑑賞に行くチャンスがある場合もあります。

オープンアトリエは稀に作家自身がSNSで告知している場合があるので、制作現場で作品制作背景含め掘り下げた鑑賞をしたい場合はチェックしてみるのがおすすめです。

まとめ

アート鑑賞できる場所は美術館の他にもたくさんあることを知っていただけたのではないでしょうか。

場所によって展示する作品の特性も変わってくるので、今回ご紹介したアートスポットを参考に、あなたに合った場所からアート鑑賞の一歩を踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。

ぜひ、さまざまな場所でアートを楽しんでみてください!

地図や名称で場所をチェック!

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ABOUT ME
よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
好きな動物はうずら。
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