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conix個展「conix mood」|コミック的可愛さの公約数をミニマルに表現したアートをご紹介

よしてる
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最小限の情報量でコミック的可愛さを届けてくれる、conixさんの作品。

シンプルながらインパクトのあるconixさんの作品は、見る人に可愛さの魅力だけでなく、時代との調和と同時に大切にしていきたい、自分自身の個性とのバランス感覚を教えてくれます。

今回はそんな作品の世界観に浸れる、渋谷・MIYASHITA PARK内のSAIにて開催の個展「conix mood」の鑑賞レポートを通して、累計120の展覧会レポートをまとめた経験と、2021年からアートコレクションをしている視点をもとに、conixさんとそのアート作品についてご紹介します。

展示会場ではconixさんの世界観を身近に置けるオリジナルグッズ販売もある中で、CASETiFYとのコラボフォンケースのみネット注文なので、個展で気になった方はこちらからチェックしてみてください。

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conix(コニックス)とは?

conix(コニックス)さんは東京を拠点に活動されている作家、イラストレーターです。

絵画やイラストレーション、漫画など、様々なジャンルで幅広く活動されています。

主な展覧会に

  • グループ展「RAKUGAKI SHOW」(2023、GR2、アメリカ・ロサンゼルス)
  • 個展「conix flakes」(2022、GALLERY TARGET、東京)
  • 個展「JUST CONIX」(2021、藤井大丸、京都)

などがあります。

アートの特徴:「コミック的可愛さの公約数」を追求した作品

conixさんの作品は「コミック的可愛さの公約数」をコンセプトにした、可愛らしくフラットな絵柄が特徴です。

幼少期のお絵描きから始まり、漫画のデフォルメされた表現、グラフィックデザインの記号的な図案や図形的表現など様々な要素を取り入れ、簡素化された独自の世界観を放つ可愛い女の子が描き出されています。

シンプルなカラーとラインで構成されたミニマルな作品は、最小限の情報量で「可愛い」を届けてくれます。

また、描きだされる女の子はアートに留まらず、イラストや漫画など、ジャンルを跨いで活躍していて、直近では「JR九州キューポちゃん」のキャラクターデザインも担当されています。

conix個展「conix mood」展示作品をご紹介

今回の展示は2022年にconixさんの個展を開催したGALLERY TARGETプロデュースで、conixさんによって現在の心境や時代を反映した 40 点以上の作品が空間を囲む、大規模な個展となっています。

展覧会のステートメントをヒントに、多様な技法や媒体を使ったミニマルな表現に注目して、作品をご紹介します。

Q
今回参考にした展覧会ステートメントはこちら

…conix の作品は、コミック、ステンシル、彫刻、シルクスクリーン・プリントなど、多様な技法と媒体を駆使しています。これらの多様なアプローチを探求する根底には、さまざまなメディアや技法を通して伝えられる、シンプルでありながら強固なイメージに対する強い共通した心理があります。パワフルでありながらミニマルな美学を追求し、絶えず芸術的ツールのレパートリーを広げてきた conix の多才な性質と好奇心は、国内アートシーンでも独自の発展と捉えることもできるでしょう。…

SAI|Exhibitionより引用

絵画作品①:カラーとラインで構成されたミニマルな作品

conixさんの作品に登場するモチーフには、半月型の瞼にシンプルな瞳が特徴的な女の子が多く描かれます。

アウトラインは各部位の輪郭を1本線で捉えていて、身体の特徴をコミックタッチで捉えています。

展示作品の豊富さから感じるのが、空間の彩りの多さ

展示エリアの渋谷に集まる人の彩りの豊かさを映し出しているようで、自分にとって好きなカラーの女の子を発見できそうです。

絵画作品②:ラインの強弱でみせるモチーフの男らしさ

conixさんの作品には珍しい、男の子をモチーフにした作品からは、新たなテーマへの探求を感じ取れます。

この展示には色味が同じの女の子の作品も並び、自然とアウトラインの違いに目が向くような仕掛けが施されています。

女の子は丸みを帯びた流線的な線、男の子は太く力強さを感じる線となっていて、男女の特徴をアウトラインで表現しているのが面白いです。

絵画作品③:服装が誇張されたミニキャラの可愛らしさ

イラスト表現で見かける、頭身の高いキャラクターをデフォルメした女の子。

2頭身になることで、モチーフの服装が個性的な要素として誇張され、さらに可愛らしく映ります。

ミニマルに表現された女の子でも、服装というひとつ要素を加えるとそれが個性となって、その人らしさを生むことが伝わってきます。

絵画作品④:アウトラインの消失が生む量感

アウトラインを無くして、色の境界線のみで表現された女の子の作品からは、モノには線が無いことを意識させられます。

陰影がないので平面的に見えるものの、身体的な丸みや厚み、重みといった量感を感じさせるのが不思議です。

ミニマルに向かって削ぎ落としていく表現の持つ奥深さを感じます。

絵画作品⑤:可愛さはじける女の子たちの仕草

まるでポップコーンがはじけるように、いろんな女の子の可愛い仕草が描かれた作品も。

一枚の絵画に複数のモチーフが集まると、仕草別で可愛いを因数分解しているようでした。

立体作品:ステンシルの偶然性が生む絵画との違い

絵画作品①:カラーとラインで構成されたミニマルな作品」で紹介したモチーフを立体化した作品は、ステンシルの偶然性が面白い色合いを生み出しています。

絵画作品にあったアウトラインが消失する分、立体作品だからこそ生まれる丸みを帯びた流線的な質感が、「コミック的可愛さの公約数」をよく表していました。

日々追加される落書きにも注目

会期中は、conixさんがほぼ毎日落書きを追加する取り組みもしていました。

落書きという形で制作を観れるというのも、conixさんならではの展示方法だなと感じます。

conixの世界観を身近に楽しめるグッズ販売も

展示会場ではconixさんの世界観を楽しめるステッカーやグラス、Tシャツといった、オリジナルグッズ販売もしています(購入は現金かカードのみ対応)。

CASETiFYとのコラボフォンケースは展示のみなので、好みのイラストがあればこちらからチェックしてみてください。

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まとめ:ミニマルな表現が生む個性のバランス感覚

conixさんの個展「conix mood」を鑑賞して感じたのは、シンプルな情報量が生む個性の絶妙なバランス感覚です。

ミニマルな表現にちょっとした仕草や服装などの要素を加えて可愛いを生み出す作品に、世間との調和を取りながら自分らしさを表現する現代の様子が映し出されているようでした。

今は自分にとって大事なものを取捨選択しないと、情報に飲み込まれてしまう時代。

そんな時代に、情報を削ぎ落とした「可愛さの公約数」を追求するconixさんの作品は、ちょっとの工夫だけで十分個性を表現できることを示しているのかもしれません。

「conix mood」個展情報

展覧会名conix mood
会期2023年7月31日(金) 〜 8月13日(日)
開廊時間11:00 – 20:00
定休日会期中無休
サイトhttps://www.saiart.jp/exhibition/exhibition23/index.html
観覧料無料
作家情報conixさん|Instagram:@coni_x
会場SAI(Instagram:@sai_miyashita、Supported by GALLERY TARGET
東京都渋谷区神宮前6丁目20−10 MIYASHITA PARK SOUTH 3F

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よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
好きな動物はうずら。
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