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金巻芳俊「空蝉センシビリティ-第 II 期-」|心の多様性に触れる

FUMA Contemporary Tokyo/文京アート
よしてる
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今回は中央区・入船にある「FUMA Contemporary Tokyo/文京アート」にて開催した金巻芳俊さんの個展「空蝉センシビリティ-第 II 期-」の模様をご紹介します。

この記事を読むとこんなことが分かります。

  • 「空蝉センシビリティ-第 II 期-」の模様をチェックできる
  • コンセプトやタイトルを糸口に、作品を解釈する楽しみ方を知れる
  • 個展にいく価値のひとつアーティストとの会話の魅力も知れる

どの作品も存在感があり細部まで観てしまうものばかりでしたが、今回は展示作品の中から数点をピックアップしてご紹介します。

第 I 期を観に行けなかった方や、金巻芳俊さんと作品のコンセプトについて知りたいという方はこちらにまとめてますので、合わせてご覧ください。

展示作品を鑑賞

二次元から三次元になる作品を観る

前回の会期中に展示していた構想画の作品の彫刻作品が、今回展示されていました。

《復唱ジオメトリ》
2020、金巻芳俊、桂,楠(くすのき)、H83×30×30cm

5つの顔が重なり合った作品が立体になった作品。

その手から、足から、服から、細部まで鑑賞したくなる作品でした。

構想画があるとはいえ、この重なり具合を1つの木から彫っていく空間把握をどうやっているのでしょう。

服の三角形の模様も含めて、ひとつひとつ丁寧に彫られています。

タイトルを糸口に、作品を読み解く

作品名に入っている”ジオメトリ”とは直訳すると”幾何学、配置、配列、形状”という意味があります。

幾何学模様という言葉があるように、同じ形のものを連続して組み合わせたようでした。

また、5つある少女の表情も気になるポイントでした。

繰り返し同じことを訴えている(=復唱)ように見えます。

同じ方向を向いて、何度も、まっすぐに訴えることの大事さを受け取れたようでした。

等身大の作品の圧巻さ

《玉響カプリス》
2021、金巻芳俊、榧(かや)、H192×83×83cm

等身大の作品も1点展示していました。

あどけない表情がかわいらしいです。

自分の顔と同じ大きさになると、作品の放つ迫力が違うように感じられます。

服のボタンや手のしわから作品制作の精密さが伝わってきます。


サインはジーパンのめくり上げたところに、こっそりと掘ってありました。

靴底の線や編み込みもついつい見入ってしまいます。

心の多様性

秋の様相を感じるファッションで、20,30代の活発な女性のようでした。

表情のひとつひとつに女性ならではの柔らかさと温かみがあり、「心の多様性」を感じます。

解釈の答えは様々だと思いますが、体力の分だけチャレンジ精神旺盛な女性の印象を受けました。

外見上はそのエネルギーゆえに周囲からは常に元気という印象を与える一方で、心の中ではいろんな表情をしていて、隠している表情もきっとあることが表現されていることを意識させる作品でした。

ちょっとしたしぐさから心の状態に気づき、配慮のできる自分であれるように、今後も精進していこうと思いました。

ギャラリーで作家と会話できるのも個展の魅力

《輪唱ジオメトリ》
2020、金巻芳俊、檜(ひのき)、75×25.5×25.5cm

現代アート&個展の良いところは、作家と直接コミュニケーションが取れることです。

今回、たまたま金巻芳俊さんが在廊されていて、直接お話を伺うことができました。

そこで、かなり初歩的な質問ですが、個人的に気になっていた「今回の個展で男性ではなく女性の彫刻を選んでいる理由」を伺ってみました。

金巻芳俊さんによると、作品のシリーズによって明確に分けているわけではなく、アンビバレンスというコンセプトの中では女性の方が温かみや表情の豊かさを表現しやすいからということでした。

確かに、男性の表情は少々硬く見えがちで、個展全体の雰囲気も重くなってしまいそうな気がして、女性だから伝わる表現があるなと感じました。

他にもお話を伺うことができて、個展会場へ直接いくことで得られるものの多さを実感しました。

決してそこで得られた回答が作品解釈の正解ということではありませんが、そういうことを考えながら日々制作をされているんだと、理解が深まる時間になりました。

まとめ

今回たまたまではありますが、金巻芳俊さんと直接お話することができ、作品への理解を深めることができました。

ギャラリーでのアート鑑賞の良さのひとつに、作家と会話できる魅力があるなと改めて感じました。

SNS上にアップされた写真は手軽に鑑賞できますが、気になる作品があればぜひ個展へも足を運んでみてください。

「空蝉センシビリティ-第 II 期-」展示会情報

展覧会名空蝉センシビリティ-第 II 期-
会場FUMA Contemporary Tokyo/文京アート
東京都中央区入船1-3-9長崎ビル9F
会期Ⅰ: 2月6日(土)- 2月17日(水)版画・ドローイング作品
Ⅱ: 2月20日(土)- 3月6日(土)木彫作品
開廊時間12:00〜19:00
※月曜・日曜・祝祭日休館
観覧料無料
作家情報金巻芳俊さん|Instagram:@kanemaki_yoshitoshi
サイトhttp://www.bunkyo-art.co.jp/

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よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
好きな動物はうずら。
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