Chim↑Pom「ハッピースプリング」|社会の諸問題をアートで捉えた作品をご紹介
国内外で社会問題となっている出来事を、ユーモアと皮肉を交えながら軽快にアート作品にしていくChim↑Pom(チンポム)。
名前は聞いたことがあっても、どんな作品を制作しているのか知らない方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は累計120の展覧会レポートをまとめた経験と、2021年からアートコレクションをしている視点から、六本木にある森美術館にて開催したChim↑Pom(チンポム)の個展「ハッピースプリング」を、11のテーマに分けてご紹介します。
2023年には本展を多彩な視点からたどるカタログが刊行しているので、より深く作品を味わいたい方はこちらもチェックしてみてください。
※Chim↑Pomは2022年4月27日をもって、アーティスト名を「Chim↑Pom from Smappa!Group」に改めていますが、本記事では展覧会名に合わせて「Chim↑Pom」と表記しています。改名の経緯についてはこちらにまとめていますので合わせてご覧ください。
- Chim↑Pom「ハッピースプリング」の要点
- Chim↑Pom(チンポム)とは?
- Chim↑Pom「ハッピースプリング」展示作品をご紹介
- スーパーラットシリーズ:Chim↑Pomの自画像的なアート
- ブラック・オブ・デス:たくましく生きるカラスのアート
- 道:協議しながら育てる第三の公共空間のアート
- ヒロシマの空をピカッとさせる/パビリオン:広島原爆をテーマにしたアート
- LEVEL 7 feat.『明日の神話』/レッドカード:東日本大震災から生まれたアート
- Don’t Follow the Wind/サイレント・ベルズ:福島原発事故から生まれたアート
- ビルバーガー/みらいを描く:2020年東京オリンピックから生まれたアート
- May, 2020, Tokyo:コロナ禍から生まれたアート
- ラブ・イズ・オーバー:Chim↑Pomのエリィ結婚祝賀会の記録作品
- サンキューセレブプロジェクト アイムボカン:ノブレス・オブリージュを体現したアート
- 金三昧:商品と作品の境界線を問うChim↑Pomならではの売店
- Chim↑Pom「ハッピースプリング」をYouTubeで知る
- まとめ:Chim↑Pomの作品から社会問題を再考してみよう
Chim↑Pom「ハッピースプリング」の要点
まずは要点をピックアップ!
- Chim↑Pom(チンポム)とは、2005年に東京で結成されたアーティスト・コレクティブです。
- 結成当初から「個と公が表象した都市論」をテーマに作品を制作しており、国内外で起きている問題をテーマに取り上げた作品も制作しています。
- 「ハッピースプリング」は結成初期から現在に至るまでの作品を幅広く展示した回顧展となっています。
- 個展「ハッピースプリング」はChim↑Pomの回顧展として幅広い作品を展示しているので、ここで紹介する作品以上に多様な作品を鑑賞可能(じっくり鑑賞して約3時間程度のボリューム)。
本記事では展示作品のうち11のテーマから作品をピックアップしてご紹介します。それでは観ていきましょう!
Chim↑Pom(チンポム)とは?
Chim↑Pom(チンポム)とは、2005年に東京で結成されたアーティスト・コレクティブ(複数のアーティストが協働する形態)です。
メンバーは
- 卯城竜太(うしろりゅうた)さん
- 林靖高(はやしやすたか)さん
- エリイさん
- 岡田将孝(おかだまさたか)さん
- 稲岡求(いなおかもとむ)さん
- 水野俊紀(みずのとしのり)さん
の男性5名、女性1名の合計6名で活動しています。
結成当初から「個と公が表象した都市論」をテーマに作品を制作していて、積極的かつ変則的に、現代社会の多様な問題を取り上げた作品を生み出しています。
作品にはユーモアと皮肉を交えた独創的なアイディアでメッセージ性の高い作品を発表し、国内外で評価を得ています。
今回の展覧会では2005年から2022年までの活動をチェックできる回顧展となっています。
また、ハッピースプリングの会期中にアーティスト名を「Chim↑Pom from Smappa!Group(チンポム フロム スマッパ!グループ)」へ改名したことでも話題となっています。
Chim↑Pom「ハッピースプリング」展示作品をご紹介
今回の展覧会は回顧展ということもあり、2022年で活動17年目を迎えるChim↑Pomがこれまで制作してきた作品を網羅し展示しています。
その中から、現代で起きている諸問題をどんな形でアート作品に昇華しているのかを見ていきましょう。
※以降にはネズミを使った作品などを掲載しているので、苦手な方はご注意ください。
スーパーラットシリーズ:Chim↑Pomの自画像的なアート
「スーパーラット」とは、駆除薬剤に対して抵抗力を増した、巧妙化、強靭化するネズミのことです。
スーパーラットが発生した背景には1964年の東京オリンピック開催が関係しているといわれています。
1964年の東京は、今から想像できない「臭い都市」だったといいます。
例えば、
- 木製のゴミ箱が路上に置かれることで漂う異臭
- 家庭や工場が垂れ流す排水が隅田川を汚し、花火大会が中止
など、今では考え難いことが起きていました。
そんな都市の「浄化」の対象にはネズミも含まれ、駆除薬剤による排除が行われましたが、そこから免疫を獲得したことで現れたのが「スーパーラット」。
このネズミたちは都市部を中心に増加し、現在も問題となっています。
この「スーパーラット」をメンバーで捕えて剥製にし、金色に着彩されたのが《スーパーラット ハッピースプリング》です。
まるでアカデミー賞で渡されるオスカー像のように輝く作品は、スーパーラットシリーズの最新版で、Chim↑Pomさんが考える六本木ヒルズの「資本やラグジュアリーを象徴するイメージ」から、金色に仕上げられています。
Chim↑Pomの自画像とも言われる《スーパーラット》は、都市に排除されそうになりながらも順応し生きる「たくましい個の象徴」のようにもみえます。
ブラック・オブ・デス:たくましく生きるカラスのアート
スーパーラットと同様に、開発が進む都市でたくましく生きるもうひとつの野生動物がカラスです。
写真は2007年に渋谷の繁華街や国会議事堂前など東京の上空にゲリラでカラスを集めたもの。
空を飛ぶカラスに向けて「カラスが仲間を呼び集める声」を拡声器で流し、カラスの剥製を見せながら車やバイクなどで移動し、東京各所にいるカラスを集め先導するゲリラアクションです。
こうした「カラスの剥製=捕まった仲間」を助けようとして集まる習性を利用しています。
東京で増加するゴミや残飯を食べる知性を身につけたカラスは忌み嫌われる存在となっていますが、作品の中でカラスはヒトと同じく、都市でたくましく生きる野生動物として描かれています。
大量のカラスが集まる光景が生み出せるのも、大量消費社会によるゴミがあるためという見方もでき、鑑賞している私たちも映像を生み出すきっかけを作っているのかもしれません。
道:協議しながら育てる第三の公共空間のアート
台湾で開催されたアジア・アート・ビエンナーレ2017で制作した、国立美術館の屋内外をつなぐ200メートルのアスファルトの《道》という作品。
この《道》は公道でも美術館の敷地でもない、第三の公共空間として位置付けられています。
そのため、この道の上では美術館や一般人と協議のもと、独自の行動規則をつくり「道を育て」ていきました。
展示には協議された内容証明もあります。
この《道》は2014年に起きた台湾の立法院を学生や市民が独占し社会を動かした「ひまわり学生運動」への興味から、参加者への聞き取り調査を経て生まれたといいます。
- 「ひまわり学生運動」とは?
2013年に中国ー台湾間で調印された「中台サービス貿易協定」に反対の意を示す学生たちが立法院(日本でいうところの国会議事堂)を独占した学生運動から始まった社会運動のことです。
この協定は十分な議論がされないまま強行採決された経緯があり、市場が開放されることは中国企業や労働者が台湾へ大量に流入してくることを意味し、台湾の中小企業が厳しい状況に置かれると同時に、中国人労働者増加による台湾の人々の労働環境マイナスの影響を受けかねません。また、「中国側による言論統制」を助長するのではという不安の声もありました。
こうした背景から、台湾の学生たちの就職先が少なくなる可能性が高まるという危機意識から学生運動に発展したと言われており、結果、協定発効は見送りとなっています。
公的な場所である立法院が舞台となったひまわり学生運動と同様に、歴史上で社会運動という個人の表現が行われてきた「道」を主題にすることで、公と個の関係性をアートのフィールド上で協議しながら育てていく作品のようです。
今回も森美術館という公共の場所の中に《道》が登場。
《道》では連日イベントが自由に開催されています。
例えば、ダンスや大道芸、縁日などが行われ、誰にでも開かれた場所として鑑賞者と共に育つ場所に。
この六本木の《道》は会期終了となったら取り壊されてしまいますが、リアルに育った作品を「月の土地」のような発想と解釈で仮想「土地」として概念上坪分けし、NFT化する試みもされているのも面白いです。
ヒロシマの空をピカッとさせる/パビリオン:広島原爆をテーマにしたアート
ヒロシマの空をピカッとさせる
第二次世界大戦(太平洋戦争)末期に起きた広島への原子爆弾投下は、人類史上初の都市に対する核攻撃でした。
その原爆投下をテーマにして制作されたのが、《ヒロシマの空をピカッとさせる》で、広島の原爆ドーム上空に原子爆弾の閃光を想起させる「ピカッ」の文字を飛行機雲で描くというもの。
この表現には、「平和という現代日本社会の基盤に対して無関心が蔓延していることを漫画的に可視化させる」という意図が込められていたそうです。
ところが、作品に対して地元住民からの憤りの声があがり社会的騒動に発展しました。
事前告知の不徹底を謝罪の上、被爆者や市民との対話を重ねていくコミュニケーションに繋がり、一連の騒動を書籍として記録しています。
パビリオン
平和のシンボルである千羽鶴は、現在でも世界中から無数の折り鶴が広島市に送られてくるそうです。
一方で、増え続ける折り鶴の保管問題が発生していました。
それを知ったChim↑Pomが制作したのが、膨大な折り鶴をピラミッドのように積み上げた《パビリオン》。
作品の中に入れるようにもなっていて、大量の折り鶴に囲まれることでその規模の大きさ、多くの人々の念を全方位から体感することができます。
LEVEL 7 feat.『明日の神話』/レッドカード:東日本大震災から生まれたアート
LEVEL 7 feat.『明日の神話』
2011年に発生した東日本大震災をきっかけに生まれた作品も展示されていました。
2011年4月30日深夜に、渋谷駅に恒久展示されている岡本太郎の壁画《明日の神話》の余白部分に絵をゲリラ的に追加した《LEVEL 7 feat.『明日の神話』》も、そのひとつ。
付け足された絵には、原子炉の建屋からドクロ型の黒煙が上がる様子が描かれています。
その様子が、岡本太郎が描いた水爆実験による漁船「第五福竜丸」の被曝の模様と重ねられ、悲劇を歴史上の出来事から未来を作るための想像力を余白を埋める絵から感じてほしいと訴えているようでした。
《明日の神話》のように、アートには惨事を記録して後世に伝える力があります。これらの作品も後世に語り継ぐ作品としても機能していくのではないかなと感じます。
レッドカード
2011年10月から2ヶ月間、メンバーの水野俊紀さんが福島第一原発の作業員として収束作業をしていた際の休憩時間にセルフタイマーで撮影した作品です。
報道では明らかにされない「グラウンド・ゼロ」の光景をリアルに体感し、その中で掲げられるレッドカードには一発退場以上の結果を引き起こした原発への皮肉が、堂々と立つ姿からは放射能の残る状況下で作業にあたる力強さがありました。
そして、撮影NGとなっていましたが《気合い100連発》という、被災地の若者たちの希望の言葉を叫んだ作品はぜひ現地で鑑賞してみてほしい作品です。
社会に翻弄されながらも快活に生きる姿が印象的で、魂の叫びが直に刺さる映像作品でした。
Don’t Follow the Wind/サイレント・ベルズ:福島原発事故から生まれたアート
Don’t Follow the Wind
2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに起きた「福島第一原子力発電所事故」。
福島第一原発は世界的にも有名な原発事故であるチェルノブイリ原子力発電所事故と同等の災害として認定されています。
そんな場所で2015年から現在まで、放射能汚染の影響で指定された福島県の帰還困難区域内で展示している作品が《Don’t Follow the Wind》です。
この展示は除染が進み避難指示が解除されるまで会場に足を運べないジレンマを抱え、どんな作品が展示されているのか分からない鑑賞者はアーティストが公開する情報を頼りに展覧会を想像するしかありません。
会場には侵入禁止の柵が設けられていながらも、その中に作品が展示されていないのもそのためです。
「どんな作品が展示されているんだろう」と考えながらこの空間に立つと、被災地の風景へも想いを馳せることに繋がります。
また、ようやく会場へ足を運べるようになった頃には作品は経年劣化している可能性もあります。この被災から今までの時間についても考えさせる作品になっています。
サイレント・ベルズ
福島の帰還困難区域内にある無人の民家のドアベルが10分に1度の間隔で鳴り続けるインスタレーション作品です。
このインターホンと接続したドアベルが東京とロンドン、アテネに設置されたそうで、それを押すことでも転送された福島のドアベルの音を聞くことができる仕組みになっています。
民家は2018年に解体されてしまったそうですが、今回の展示では解体直後に収録された最後のベルの音が選択されています。
この作品も、福島と展示会場を音で繋げる作品。
2022年現在も廃炉作業が行われていて、順調に進行すれば2041年から2051年頃までに完了するそう。
事故発生から10年以上経っている今も生活に影響を及ぼしている放射線ですが、物理的には厳しくても繋がり想いを巡らすことができることを伝えています。
ビルバーガー/みらいを描く:2020年東京オリンピックから生まれたアート
ビルバーガー
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて繰り返される東京の再開発を再考した「Sukurappu ando Birudo プロジェクト」の一環として制作された作品が、《ビルバーガー》です。
2016年に取り壊しが決まっていた新宿歌舞伎町商店街振興組合ビルの2階、3階、4階の床部分を四角く切り抜き、そのまま真下の1階に積み重ねています(本作は2018年、歌舞伎町の別ビルの取り壊し時に制作されたシリーズ作品になります)。
東京の古い建物を取り壊し新しい建物を建設する「スクラップ&ビルド」をテーマに、ハンバーガーチェーン店のような「ファストフード的大量生産・大量消費を街や都市に重ねて想起させる」作品となっています。
みらいを描く
サイアノタイプという写真技術で、歌舞伎町の風俗店で働く女性従業員「みらいちゃん」のシルエットを青焼き印刷した作品。
今では青焼き印刷といっても馴染みがないと思いますが、長らく建築図面の作成などで重宝した技術で、こうして作られる青写真という言葉は「未来や将来の設計図」という意味合いを持っています。
都市の再開発が進む中、そこに住む個人はどんな未来像を描き歩んでいくのか、そんな日本人の「青写真の描き方」を問い直しています。
ちなみに、オリジナルの《みらいを描く》は2017年に高円寺のキタコレビルに開通した《Chim↑Pom通り》の地中に埋められていて、地中で発掘される日を待っています。
May, 2020, Tokyo:コロナ禍から生まれたアート
May, 2020, Tokyo(へいらっしゃい)ー青写真を描くー
2020年5月、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の中で制作された平面作品シリーズです。
《みらいを描く》と同様にサイアノタイプと呼ばれる写真技術を用いていて、都内各所の大型看板に2週間に渡って設置し青写真として作品化しています。
白抜きされた文字の部分は紙でマスキングして青く染まらないようにしています。
May, 2020, Tokyo(東急)ー青写真を描くー
緊急事態宣言下となってすぐ制作されたこれらの作品は、混乱する社会の「時と東京の空気感」を刻んでいます。
「2020」という表記は変えずに翌年の2021年に開催された東京オリンピックに繋げるための、未来予想図にも見える作品でした。
ラブ・イズ・オーバー:Chim↑Pomのエリィ結婚祝賀会の記録作品
Chim↑Pomメンバーのエリィさんの結婚祝賀会を新宿の路上パフォーマンスとして開催した記録作品です。
一般的に、公道で結婚パレードを行えるのは王室や皇室の要人に限られる、格式高い儀式とされています。
ところが、この儀式をデモという名の下、警察からの許可を得た上で、お金をかけずに実行に移したのでした。
公道を使った、大胆ながらも私的な行為と公的性質を繋げた模様は写真集「エリイはいつも気持ち悪い」にまとめられています。
デモと銘打っていながらも、そこに攻撃的な言葉はなく、「LOVE」や「愛」で溢れているのも印象的で、デモのゴール地点にロバート・インディアナさんのパブリックアート《LOVE》を選んだところも感慨深いです。
ここまで盛大に開催したのにも関わらず費用なしでインパクトを最大化できる、公道のポテンシャルの高さも垣間見える作品でした。
サンキューセレブプロジェクト アイムボカン:ノブレス・オブリージュを体現したアート
ビーナス
「中学生のころ、テレビでセレブが地雷撤去しているのを見てあこがれた」というエリイさんの長年の夢を叶えるためにできたのが、「サンキューセレブプロジェクト アイムボカン」です。
地雷爆破と寄付を目的にカンボジアの地雷原に赴き、自身の彫刻作品や私物を撤去した地雷で爆破していきます。
その後、爆破した私物たちを日本へ持ち帰り自主開催したオークションで販売し、その売上げをカンボジアに寄付しました。
イナポッド
オークションの売上総額は210万円となり作家への収益は寄付されましたが、爆破により制作した「作品」がコレクションされるという、美術と資本主義の密接な関係性へも疑問も投げかけるプロジェクトとなりました。
ノブレス・オブリージュ(持てるものの義務)をアートとして見える形に残した作品といえます。
金三昧:商品と作品の境界線を問うChim↑Pomならではの売店
展示会場最後にある売店も「金三昧」というプロジェクト名が掲げられていました。
2014年からスタートした金三昧は、実際に売られているものを見ると「こんなの売り物になるの?」というものが多く並んでいます。
使用価値を試すような商品が取り揃えられていますが、そのほとんどがこれまで完売しているそうです。
中には長年Chim↑Pomの活動を支えてきた愛車(会田誠さんから譲り受けたもの)が陳列棚として置かれていました。
ちなみに、この愛車もオンライン販売を予定しているそうです。
陳列の中には会場設営で余った木材も売られていて、「これは作品の一部なのだろうか」と、商品と作品の境界線を問われているようなものもありました。
1,000円自販機も一見何が怒るのか想像がつかない見た目をしています。
これは、1,000円を投入するとカプセルが出てきて、開けるとクシャクシャになった1,000円札が出てくる仕組みになっています。
展覧会の端から端までアートプロジェクトで埋め尽くされていて、Chim↑Pomの多彩な活動を体感することができます。
Chim↑Pom「ハッピースプリング」をYouTubeで知る
展覧会からの作品紹介は以上となりますが、アーティストが直接話していることからも作品をさらに楽しむヒントになります。
そこでおすすめなのが、「アートと出会う」をコンセプトとしたアートの専門チャンネル「MEET YOUR ART」です。
MCの森山未來さんがChim↑Pom結成の経緯や、作品制作のプロセス、作品に迫っていて、現代社会へ積極的に介入する作品を制作している背景を20分弱で知ることができますよ。
まとめ:Chim↑Pomの作品から社会問題を再考してみよう
Chim↑Pomの回顧展とも言える「ハッピースプリング」の展示作品を観ていきました。
ここでは紹介しきれなかった作品も多数ありますし、体感してこそ味わえる臨場感や違和感があると思うので、ぜひ会場にも足を運んでみてください。
そして、会期中にアーティスト名を「Chim↑Pom from Smappa!Group」に改名する出来事も起きています。その経緯を知ると、新たな発見にも繋がって面白いです。
こちらも合わせてチェックしてみてください。
Chim↑Pom「ハッピースプリング」情報
展覧会名 | Chim↑Pom展:ハッピースプリング |
会期 | 2022年2月18日(金)~5月29日(日) |
開廊時間 | 10:00~22:00(最終入館 21:30) ※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30) ※5月3日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30) |
定休日 | 会期中無休 |
サイト | https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/chimpom/ |
観覧料 | 専用オンラインサイトでチケットを購入すると( )の料金が適用されます。 専用オンラインサイトでの予約はこちら。[平日] 一般 1,800円(1,600円) 学生(高校・大学生)1,200円(1,100円) 子供(4歳~中学生)600円(500円) シニア(65歳以上)1,500円(1,300円)[土・日・休日] 一般 2,000円(1,800円) 学生(高校・大学生)1,300円(1,200円) 子供(4歳~中学生)700円(600円) シニア(65歳以上)1,700円(1,500円) |
作家情報 | Chim↑Pom|Instagram:@chimpomfromsmappagroup |
会場 | 森美術館(Instagram:@moriartmuseum) 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階 |
※一部作品はミュージアム+アーティスト共同プロジェクト・スペースにて展示(来館当日に要予約)
参考書籍
美術手帖でもChim↑Pomの2005年の結成から、2022年の個展「ハッピースプリング(森美術館)」まで、これまでの活動をわかりやすくまとめられています。
Chim↑Pomメンバーのエリイさんが独特な文体で書いた書籍。
「私は完全なる死を生んでしまった」という言葉が印象的です。
※掲載している写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスの下で許諾されています。
※サムネイル画像は撮影画像を元にCanvaで編集したものを使用しています。