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【写真集】ミッコ・ラガーシュテット「Landscapes with Soul」|幻想的な北欧ミニマル風景

よしてる
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今回はMikko Lagerstedt(ミッコ・ラガーシュテット)さんの写真集「LANDSCAPES WITH SOUL」をご紹介します。

フィンランドという土地も活かした、神秘的なミニマル写真が特徴的なファインアートフォトを楽しむことができます。私自身昔から好きな写真家さんで、2021年末に写真集も出されたので、これを機におすすめの写真作品含めてご紹介します。

著者:ミッコ・ラガーシュテットさんとは?

ミッコ・ラガーシュテットさんはフィンランド出身のファインアートフォトグラファーです。2008年12月から独学で撮影を学び、北欧・フィンランドならではのオーロラや雪景色、雄大な木々をメインモチーフに、幻想的で雰囲気のある景色を撮影しています。

「その場所が本来持つ、心動かすもの」を捉えることを自身の使命にして、シンプルな景色や一瞬を切り取った写真を通して鑑賞者にインスピレーションを与える作品を制作しています。

山小屋へのドライブをきっかけに写真に興味を持つ

ミッコ・ラガーシュテットさんが写真に興味を持ったきっかけは、2017年の夏の夕暮れに親戚の山小屋にドライブに行ったときだったそうです。雨がやんで太陽が輝き始め、野原に霧が立ち上った美しい瞬間を眺めた瞬間を目にして写真を何枚か撮ったそうで、「こんな美しい瞬間を撮りたい」と思い写真を撮り始めるようになります。

それ以来、自然の風景が一瞬みせる神秘的な雰囲気のある写真を撮り続けています

写真作品の特徴:神秘的な雰囲気のミニマル写真


《SOLITUDE》
2018、Mikko Lagerstedt(ミッコ・ラガーシュテット)、フィンランド キルピスヤルヴィ

写真の特徴のひとつに、フィンランドの風景を活かした神秘的な雰囲気のミニマル写真であることが挙げられます。

ミニマル写真とは?

ミニマル写真とは、「写真を最小限の要素と色だけで構成した写真」のことをいいます。海外においても「minimal photography」として知られています。伝えたい要素が最小限なので、見ていて心地の良い写真となる特徴があります。

ミッコ・ラガーシュテットさん自身もミニマル写真の撮影が好みのようで、自身が重視しているミニマル写真を撮るヒントも公開しています。

SIMPLIFY THE VIEW(<strong>見えるものを簡素化する</strong>)
  • SIMPLIFY THE VIEW(見えるものを簡素化する
  • EQUIPMENT FOR MINIMALISTIC VIEWS(ミニマルな景色のための装備:景色に適した望遠/広角レンズ
  • NEGATIVE SPACE AND ISOLATION(ネガティブスペースと孤立した被写体
  • TIMING AND WEATHER(タイミングと天気
  • PATTERNS AND HARMONY(パターンと調和

特に「④天気とタイミング」を読んで撮影しているような印象があり、例えば自然に発生する霧を利用して被写体以外の要素が映らないように撮影しているように見えます。

A Zen-like view is more pleasing to my eye than a whole lot of mess in the frame.
(ごちゃごちゃしたものより禅のような景色のほうが、私の目には心地よく映ります。)

Mikko Lagerstedt Blogより引用ー

論理的な問答ではなく、体験を大事にしている禅の考え方ともつながる部分があり、どこか日本の写真家であり現代美術作家、杉本博司さんの《海景》シリーズのような趣も感じます。

自身の撮影ポイントやノウハウも公開

先程のミニマル写真を撮るヒントもそうですが、ミッコ・ラガーシュテットさんは自身が培ってきた経験やノウハウをブログを通して発信しています(本文は英語です)。

中には活動拠点がフィンランドだからできる要素もありますが、ミッコ・ラガーシュテットさんのようなミニマル写真を撮りたい人にとって参考になる内容も多いと思います

外部リンク
Mikko Lagerstedt blog(英語)
Mikko Lagerstedt blog(英語)

写真集「Landscapes with Soul」を観た感想

写真集の特徴は、木や雪景色、オーロラ、川辺などの景色が際立つ間の撮り方が印象的で、フィンランドの持つ自然の魅力を体感できる点です。

今回は写真集の中でも、特に印象に残った写真を抜粋してご紹介します。

頭上に輝くオーロラ

フィンランドのキルピスヤルヴィで撮影したオーロラの景色。上空一面に紫と緑のオーロラが広がりが美しい作品です。

手前には薄暗い中に古びた一隻の手漕ぎボートが置かれているところも、この景色を観測するために長い時間を要したことを暗示しているように見えます。

春のような雪景色

一本の木がぽつりと立っているところを撮影した作品。

冬の日没数時間前に見つけたらしく、スノーモービルから降り、腰まである雪と格闘しながら、被写体を視界の真ん中に捉え撮影したそうです。風が強いフィンランドの、孤独と静寂の瞬間を収めた写真です。

雲のせいか日没の光が淡いピンク色に映っているところが桜のピンク色のようにも見え、春の訪れを不思議と感じてしまいます。

冬の夕暮れ

大きな一本の木にと、一筋の線が印象的な作品。先頭の線が写真に奥行き感を与えています。また、新雪ならではのざらざらとした雪原を太陽光が照らすことで、立体感のある光景になっています。

誰も立ち入っていない、ありのままの自然と日の光がマッチしていていいなぁと感じます。

氷上の釣りと轍

薄氷の上で釣りをするワンシーンを撮影した写真です。中央にいる人と釣り用の穴を中心に下部を黒く映し出すことで、凍った湖の深さを表現しているように見えます。人の持つ冒険心と、自然の持つ恐ろしさが共存しているような作品だなと感じました。

また、氷上の轍(わだち:車の輪が通った跡のこと)も印象的で、轍の少なさから観光地などではない、未開の地で撮影をしているように見えます。

ファインアート写真プリントも素敵

今回はファインアート写真プリントもセットの写真集を選びました。額に入れて飾りたくなる写真2つもご紹介します。

THE LOST WORLD(失われた世界)

《THE LOST WORLD(失われた世界)》
2015、Mikko Lagerstedt(ミッコ・ラガーシュテット)、フィンランド エマサロ

写真集の表紙にもなっている写真です。

フィンランドの海岸で撮影されたという古い幽霊船。古い幽霊船はその場で沈み込んでいて、こんな景色が自然にあることに驚きです。夜景となった時の満天の星空も日本じゃ観られない景色なのではと思ってしまいます。

船が”捨てられている”というよりは”寝ている”という表現の方がしっくりくるのが不思議で、今も船全体が沈まないように、その場で主人の帰りを待っているような、幻想的な景色です。

MILKY WAY & AURORA(天の川とオーロラ)

《MILKY WAY & AURORA(天の川とオーロラ)》
2016、Mikko Lagerstedt(ミッコ・ラガーシュテット)、ノルウェー バツェ

しっとりと流れる川の上を、オーロラと天の川が照らしている作品です。3つの流れるものが映し出されている景色が魅惑的で、同じ景色は二度とみせない自然の神秘を切り取った作品だなと感じます。

観光ではめったに見れない景色を観られるのも、写真集の魅力ですね。

まとめ:北欧の幻想的な風景を写真集で楽しもう

今回はミッコ・ラガーシュテットさんとその写真集「Landscapes with Soul」をご紹介しました。ミッコ・ラガーシュテットさんの写真はSNSでチェックすることができるので、北欧の幻想的な風景をぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

海外のフォトグラファーが撮影した写真を通して、日本にいながら世界の景色を旅行気分で味わってみてください。

作家・写真集情報

作家名Mikko Lagerstedt(ミッコ・ラガーシュテット)さん
写真集「LANDSCAPES WITH SOUL」(魂のある風景)
※写真集は500冊限定で、フィンランドから輸入のみの販売になっています。
写真集専用サイトhttps://mikkolagerstedtbook.com/
価格55ユーロ
作家情報Instagram:@mikkolagerstedt
Facebook:Photography Mikko Lagerstedt
Twitter:@MikkoLagerstedt
HP:https://www.mikkolagerstedt.com/

参考書籍

最新情報はInstagramをチェック!

ABOUT ME
よしてる
1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
好きな動物はうずら。
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