グループ展「HEALING × HEALING」|人と芸術を結びつけるアート空間
今回は広尾にあるKaikai Kiki Galleryにて開催したグループ展「HEALING × HEALING」の模様をご紹介します。
この記事を読むとこんなことが分かります。
- カイカイキキギャラリーについて分かる
- 展覧会「Healing×Healing」の作品展示の模様を知れる
- ギャラリーの場所について分かる
それでは観ていきましょう。
Kaikai Kiki Gallery(カイカイキキギャラリー)とは?
Kaikai Kiki Gallery(カイカイキキギャラリー)とは、2008年にオープンした村上隆さん主宰のギャラリーです。
オープン当初はビューイングルームの場として一部のゲストへの公開に限られていたようですが、そこから一般向けに作品を公開するギャラリーになった経緯があります。
アーティストのマネジメントと作品販売もしていて、アートの社会的価値の創造をする場としての活動を行っています。
「HEALING × HEALING」の模様
今回は村上隆さん自身がキュレーションをした「HEALING × HEALING」展覧会の模様を、感想を交えてご紹介していきます。
海外で開催していた展覧会が日本でも開催
「HEALING展」は去年 PERROTINの韓国・ソウル、パリ、そして上海の3つの展示場で行ってきた展覧会です。各会場ともに非常事態宣言やロックダウンの中開催され、パンデミックが広がる状況下でどういったものが人と芸術を深くむすびつけられるか、という問いに対しての思考、体験が発想の源泉になっているそうです。
展覧会の紹介文から、展覧会開催中のギャラリーや会社経営の苦悩がうかがえます。
「HEALING × HEALING」という展覧会テーマは、現代アート・シーンにおける“スーパーフラット”と“バブルラップ”の文脈上で機動しているもののようです。
日本での開催は1週間前に急遽開催を決めて展示に至っているようですが、準備期間の短さを感じさせない圧巻の展示でした。
展示の様子
今回の展覧会はグループ展で、大きく2つの部屋に分けた展示をしていました。
村上隆の作品その1
一つ目の部屋がこちら。なんといっても、中央に立つゾンビの存在感に目が行きます。
シリコンでできているようで、すべて植毛しているそうです。そして驚きなのが、制作には4年ほど費やしているとか。
村上隆さん自身初のゾンビで、隣に立っているわんこ含め、非常にリアルです。
今回は身体のリアルさを見つつ、基本足元を見ていました。足元も細部まで作りこまれていて、いつも歩いてるコンクリートそのものに観えます。
ゾンビが苦手な方もいるとおもうので、そんな方は足元を中心に観てみましょう。
TENGAoneの作品
東京を拠点に活動するストリートアーティストの方の作品。アーティスト名TENGAoneとは、「画が天職(天画)」からきているそうです。
段ボールのように見える作品は、段ボールを模して作っているようで、言われないと気づけない精巧さでした。
Mr.の作品
かわいい少女をアニメ風に描いているアーティストです。よく見ると、目の中にもちっちゃなキャラクターが。普段の生活の中でみるアニメがアートになる、新たな視点を開拓している作品を観ることができました。
つづいて、お隣の畳の部屋へ。こちらは靴を脱いで鑑賞するスタイルとなっています。
青島千穂の作品
かわいらしく、癒される陶芸作品。もともとはイラストレーターのソフトを使って作品制作をされていたところから、手描きの作品も制作しているようです。
生と死や異界との対話がテーマの中にあるようですが、そんなことを感じさせない、異界が自然と日常へ溶け込んでいる姿が垣間見えました。
村上隆の作品その2
このキャラクターの名前は、狩野派の一派である京狩野3代目の狩野永納が、狩野永徳の偉業を讃えていった「恠恠奇奇」という言葉から来ているそうです。
村上隆さんの会社名にもなっている 恠恠奇奇=カイカイキキ 、その社名をキャラクター化したのがこの2人です。(Zingaro)
ナカザワショーコの作品
ナカザワショーコさんは、サンショウウオをモチーフにした怪獣ソフビや絵画を制作しているアーティストです。部屋の奥の方にちょこんと立っていて、「歩いていればいいことあるよ!」と励ましてくれているような、ユルい表情がかわいかったです。
Kaikai Kiki Galleryの場所とアクセス
観に行くにしても場所が分からない…
という方もいると思うので、簡単にアクセスをご紹介します。「知ってるよ!」という方は読み飛ばしていただけたらと思います。
ギャラリーは東京都元麻布にあります
ギャラリーの場所は元麻布という場所にあります。駅でいうところの、広尾駅と麻布十番駅の間にあるイメージです。
地下1階にあるので見落としやすいですが、展覧会中は看板が出ているので見つけやすいと思います。
電車でのアクセス
広尾駅(日比谷線)から行く場合
広尾駅からは徒歩10分ほどです。有栖川宮記念公園の横を歩く感じで、春なら桜を楽しみながら散策気分で向かえます。
麻布十番駅(都営大江戸線/南北線)から行く場合
麻布十番駅からは徒歩18分ほどです。道中が坂道なので、ちょっと厳しいなという人はバス利用がおすすめです。
バスでのアクセス
都営バスで行く場合
バスで行くなら愛育クリニック前(橋86)下車ですぐ近くまで行けます。広尾駅前(広尾橋)か麻布十番駅前以外にも、目黒駅や新橋駅からも向かうことができます。「駅から歩くのはちょっと」という人にとっては便利ですね。
乗車料金は大人210円、子供110円(IC105円)です。(2022年11月現在)
ちぃばすで行く場合
ちぃばすとは港区コミュニティバスのことで、100円で乗車できるお財布にやさしいバスです。(未就学児は無料)
麻布西ルート(広尾駅~麻布十番駅前(一の橋)~六本木けやき坂~広尾駅)で乗車して、愛育クリニックで下車して徒歩数分で到着できます。(下車場所は都営バスの方よりちょっとだけ遠いくらいです)都バスよりも区間は短いですが、おすすめの交通手段です。
まとめ:人と芸術が一つの空間で交わり得られるもの
会場をめいっぱいに使た精巧なアート空間でした。生活様式の変化が起きて一年弱、人と芸術を結びつけるものってなんだろうな、と思いながら鑑賞をしました。
写真を見返して思うのは、やっぱりギャラリー空間で観るを通して繋がることが、鑑賞者にとって大事だなということ。写真と作品そのものでは、発信できるエネルギーそのものがちがいます。「空間にいる」という感覚までは写真では伝えきれないからです。
タイトルのHealing=癒しという言葉も、人と芸術どちら側も持っている「癒しの要素」が一つの空間で交わることで、パワーを発揮するのではないかなと考えていました。
感染対策という新たな装備が必要になっても、空間を十二分に使って体感する場にはなるべく足を運んで観ていきたい、そう思います。
会期が短いため、いけない方もいらっしゃるかと思うので、そんな人は一部ではりますが、雰囲気だけでも感じ取っていただけたらいいなと思います。
展示会情報
展覧会名 | HEALING × HEALING |
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会場 | Kaikai Kiki Gallery(Instagram:@kaikaikikigallery ) 東京都港区元麻布2丁目3−30 クレストビル B1F |
会期 | 2021年3月18日(木)- 2021年3月27日(土) ※閉廊日:3月22日(月)、3月23日(火) |
開廊時間 | 11:00〜19:00 |
サイト | https://gallery-kaikaikiki.com/2021/03/healing-x-healing/ |
観覧料 | 無料 |
※閉廊日:3月22日(月)、3月23日(火)
Mr.さん|Instagram:@misteryanen
青島千穂さん|Instagram:@chiho_aoshima
TENGAoneさん|Instagram:@tengaone
ナカザワショーコさん|Instagram:@shokonakazawa