アートフェア
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「アートフェア東京2023」鑑賞レポート|32ギャラリー75作家の作品を観てフェアを擬似体験しよう

よしてる
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Q
Contents
  1. アートフェア東京とは
  2. 32ギャラリー75作家の作品を一気見
  3. 有料エリア:国内ギャラリー
  4. 有料エリア:海外ギャラリー
  5. 無料エリア:ロビーギャラリー
  6. まとめ

9. ex-chamber museum(松宮硝子)

ギャラリー情報
ex-chamber museum|OFFICIAL SITE:http://ex-chamber.seesaa.net/

松宮硝子

細いガラスを蜘蛛の巣のように何本も繋ぎ合わせてできた、ひとつの立体作品。写真だと見にくいですが、作品の中央部分には頭蓋骨がリアルに表現されています。

周りにはガラスが膨れて植物のようにも見えてきます。無機質なもの、生きてはいないガラスからある種の生命を感じさせます。

10. 西村画廊(舟越桂/小林孝亘/三沢厚彦)

ギャラリー情報
西村画廊|OFFICIAL SITE:http://www.nishimura-gallery.com/

舟越桂

神秘的で性別を感じさせない半身の人物像の立体作品が特徴的な、舟越桂さんの作品。丸の内ストリートギャラリーに展示中の作品をスケッチしたような作品も展示していました。

立体作品の頭部には、教会、本、並木道がちょこんと置かれていて、それぞれ「人が信じていること」、「言葉」、「自然」を象徴しているように感じます。どんな環境に囲まれて人間は人間らしくいれるのか考えてしまいます。

小林孝亘

静けさの中に描かれる身近な事物や風景が描かれた、小林孝亘さんの作品。普段なら見過ごしてしまうありふれた景色に目を向けているような感覚や、ひとつ不思議なモチーフが登場することで感じ方が変わってきます。

机の上に船が描かれている作品も、船の右側は机の上に乗っていたら模型のように、左側は静寂な青い湖に浮かんでいるように見えてきます。

  • 作家情報
    小林孝亘さん|Instagram:@kobabkk

三沢厚彦

ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つキメラや、ゾウといった動物をモチーフとした、三沢厚彦さんの作品。三沢厚彦さんの作品も船越桂さんと同様に、丸の内ストリートギャラリーに展示中の作品があります。

ごく自然な感じで佇む動物たちにはファンタジーの世界に現れそうな可愛らしさがある一方で、目の力強さには自然淘汰されないように強く生きる野生の姿が現れているようです。

11. GYOKUEI(野口哲哉/Adam Lister)

ギャラリー情報
GYOKUEI|Instagram:@gyokuei_official

野口哲哉

小柄なサムライに現代の要素が加わっている、野口哲哉さんの作品。その小ささにも関わらず甲冑や人物は精巧に制作されています。

表面的な見た目や立ち居振る舞いの中に隠れている、その人らしさをクリアに映しているようです。

野口哲哉「this is not a samurai」|“鎧と人間”をモチーフにしたアート
野口哲哉「this is not a samurai」|“鎧と人間”をモチーフにしたアート

Adam Lister

ポスト印象派の巨匠であるフィンセント・ファン・ゴッホさん(Vincent Van Gogh、1853 – 1890年、オランダ)の有名な絵画《星月夜》や、ドミニク・アングルさん(Dominique Ingres、1780 – 1867、フランス)の《グランド・オダリスク》をピクセル状にしています。

Adam Listerさん(アダム・リスター)による作品で、原型を理解できる程度に表現することで、認知できる限界線を探求しているようです。

12. シュウゴアーツ(小林正人/丸山直文/近藤亜樹)

ギャラリー情報
シュウゴアーツ|Instagram:@shugoarts

小林正人

木枠とキャンバスが定まった形を持たずに構成された、小林正人さんの作品。小林正人さんは東京藝術大学大学院の教授としても活躍されています。

日々変化する世の中を映し出しているようで、視点よりも高い位置に展示されている点も意味があるように感じる作品です。

丸山直文

景色が柔らかく溶け出しているように描かれた、丸山直文さんの作品。具体的な景色に見えつつも、そこがどこかまではわからない、絶妙な抽象さもあります。

水を含んだ綿布にアクリル絵具を染み込ませて描くステイニングという技法で描かれているそうす。

近藤亜樹

厚塗りにより立体感のある黄色い3つの花が描かれています。その質感から、まるで生きているような動きを感じます。

太陽に向かってのびのびと花を開く花のように、上を向いて咲き誇ることで見えてくる景色・希望があることを訴えているようでした。

13. SNOW Contemporary(HITOTZUKI/雨宮庸介)

ギャラリー情報
SNOW Contemporary|Instagram:@snow_contemporary

HITOTZUKI

紫や青のグラデーションでシンメトリーのモチーフが描かれ、その奥には流線的な線が幾重にも張り巡らされています。宇宙空間で星々が規則的に輝いているようです。

HITOTZUKIさんは、独自に作家活動をしていた作家のKAMIさんとSASUさんが1999年に結成したユニットです。

  • 作家情報
    HITOTZUKIさん|Instagram:@htzk

雨宮庸介

りんごがアイスのように溶け出している立体作品。溶け出しているところ以外はりんごそのもので、実物大の作品とリアルに対峙するからこそ認識の綾を突かれるように感じます。

現実と虚構が複雑に絡み合っていて、まるでアナログとデジタルの間を見ているようです。

14. MAHO KUBOTA GALLERY(Julian Opie/富田直樹/安井鷹之介/レン・ガンミン)

ギャラリー情報
MAHO KUBOTA GALLERY|Instagram:@mahokubotagallery

Julian Opie

Julian Opieさん(ジュリアン・オピー)による作品で、簡略化したシンプルな線と色彩で描かれているのが特徴的で、まるでまるでピクトグラムのようです。

必要最低限の要素で描かれることで、色や動きに焦点が合うようになり、その人らしい個性も表現されていることが分かります。

「ジュリアン・オピー個展」鑑賞レポート|TikTokで人気のダンスを少ない要素で表現したアート
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富田直樹

街で見かけそうな何気ない風景が瑞々しく描かれた、富田直樹さんの作品。2作品とも車が描かれています。

例えば、大雪が降っている作品は人工物の車と自然の雪が関わり合っている瞬間が映し出されていて、街中にある自然の美しさを感じます。

安井鷹之介

石膏と綿布で造形した独自のボリューム感を持つ、安井鷹之介さんの作品。絵画と彫刻が一体化しているようにも見えます。

一本の木は全体が葉で覆われ、その中に人が潜んでいるようにも見えてきます。捉え方によって作品の見え方も変化する作品でした。

レン・ガンミン

モノトーンの明暗で描かれているソフトクリームや、さまざまな形をした図形が寄せ集められて一つの景色を成している、レン・ガンミンさんの作品。

紙を貼ってレイヤーを堆積させ、ナイフで削り、表面を剥がして制作する独自の表現で、計算された図面のようでありながら、紙が剥がされて対象の見え方にズレを生じさせ、新たな視点に誘導しているようです。

  • 作家情報
    レン・ガンミン(冷广敏)さん|Instagram:@lengguangminl

15. TAKU SOMETANI GALLERY(やましたあつこ/多田恋一朗/丸山太郎/城愛音)

ギャラリー情報
TAKU SOMETANI GALLERY|Instagram:@taku_sometani_gallery

やましたあつこ

草花に囲まれた中に寝そべるように、少女や動物が描かれた、やましたあつこさんの作品。彩りのはっきりとしたものと柔らかな彩りの物もあり、それぞれが幸せだけが広がる世界の物語を紡いでいるようです。

ペンや色鉛筆、絵の具と、さまざまな画材が用いられていて、物語に奥行きが生まれているように感じます。

  • 作家情報
    やましたあつこさん|Instagram:@siatsuko

多田恋一朗

こちらをじっと見つめる肖像画が描かれた、多田恋一朗さんの作品。この赤い人物は多田恋一朗さんの記憶と経験が頭の中で熟成されて、抽象的な「君」の顔がキャンバス上に抽出されているそうです。

SNSが主流の情報交換ツールともなっている今、限られた情報でその人の本質を掴み知る行為をキャンバス上に表現しているようです。

丸山太郎

ライオンの隣に女性が座り込んでポーズをとっている、丸山太郎さんの作品。女性がライオンのたてがみを真似ているように見えます。

観ていると気づくのが、ライオンと同じくらいのサイズ感で女性がいること。個人的にはKaty PerryさんのRoarが頭の中で響きました。

城愛音

鮮やかで冴えるような色彩が印象的な、城愛音さんの作品。親や兄弟、親しい友人など、身近な人物のある瞬間を切り取り描いているそうです。

庭に咲く植物を描いた作品も展示しており、特徴のある鮮やかな色彩や筆の丁寧なストロークが生きるものの鮮やかさを映しているようです。

  • 作家情報
    城愛音さん|Instagram:@aiue_joe

16. Gallery COMMON(西祐佳里/Matthew Stone/Jason Seife/Ichi Tashiro)

ギャラリー情報
Gallery COMMON|Instagram:@gallerycommon

西祐佳里

ノスタルジックかつ奇妙で幻想的な世界観を描き出している、西祐佳里さんの作品。写真や雑誌の切り抜きをデジタルコラージュしたものを下絵に、絵画を制作しています。

背景の現実的な風景の中に、ハンバーガーの頭をした着ぐるみのようなリアルな質感のキャラクターが描かれていて、現実にいそうだけど見たことがない、不思議な体験に導かれる作品です。

西祐佳里「INDEX #5」|デジタルコラージュから生まれる奇妙なおとぎ話のようなアート
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Matthew Stone

ドラマチックな構図の人物に伸びやかな筆致で色が重ねられている、Matthew Stoneさん(マシュー・ストーン)の作品。

テクノロジーと AI を駆使したデジタル・ ペインティングの作品ですが、その工程は手書きの筆致を写真に撮るところからスタートしています。こうした制作過程から、オフラインとオンラインが密接に絡み合っている様子が強調されているようです。

Jason Seife

壁面とも繋がるように、Jason Seifeさん(ジェイソン・セイフ)が幼少期から慣れ親しんだというペルシャ絨毯を参照した作品。鮮やかな模様の中には植物や鳥、鐘などが万華鏡のように描かれています。

伝統的なペルシャ絨毯の作り方では描かれる要素の組み合わせで、どこの国、部族、用途で作られたかが分かるそうです。そうした見えない情報をアートという言語で保存しているようでした。

  • 作家情報
    Jason Seifeさん|Instagram:@jasonseife

Ichi Tashiro

木製パネルに新聞を組み合わせたコラージュ作品。どんな情報が載っていた新聞なのかまではわからない粒度で、鑑賞者によって見え方が変わりそうです。

一方的に印刷物から情報を知る状態から、主体的に情報を組み合わせて自分にとって必要なものにアレンジしていく現代の様子を表現しているようです。

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  1. アートフェア東京とは
  2. 32ギャラリー75作家の作品を一気見
  3. 有料エリア:国内ギャラリー
  4. 有料エリア:海外ギャラリー
  5. 無料エリア:ロビーギャラリー
  6. まとめ
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1993年生まれの会社員。東京を拠点に展覧会を巡りながら「アートの割り切れない楽しさ」をブログで探究してます。2021年から無理のない範囲でアート購入もスタート、コレクション数は25点ほど(2023年11月時点)。
アート数奇は月間1.2万PV(2023年10月時点)。
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