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OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展|国内外のカラフルなアートの調和

骨董作品と現代アートが一堂に会しマリアージュした珍しい空間で、国内外アーティストによる約40点のカラフルなアートに触れて観ませんか。作品を観たら「コレクションしたアートを飾る」楽しさを知れるかもしれません。

今回は天王洲にある「WHAT MUSEUM」にて開催したOKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展の模様をご紹介します。

要点だけ知りたい人へ

まずは要点をピックアップ!

要点
  • 今回の展覧会は、有名なアートコレクターである桶田夫妻が約20年の年月をかけてコレクションしてきた作品のうち、約40点の国内外アーティスト作品を鑑賞できる。
  • 展覧会のテーマは骨董と現代アートの「Mariage(マリアージュ)」。
    ※マリアージュはフランス語で結婚や婚姻の意味。別々の存在が互いに高め合い引き立て合い、調和した状態を指す。
  • カラフルな色彩の大型作品を多く展示。
  • 本記事では展示作品のうちヴァージル・アブロー、カシン・ローン、北大路魯山人、クレイグ・クチア、五木田智央、坂口宗雲斎、名和晃平、ネイト・ロウマン、マシュー・デイ・ジャクソン、マンゴ・トムソン、Mr.(五十音順)などによる12点の作品をご紹介。
  • 他にも普段見る機会を作るのが難しい作品が多く展示されているので、気になる作品があれば、現地での作品鑑賞がおすすめ。

要点の内容を詳しく知りたい方は、続きもご覧ください!

OKETA COLLECTIONとは?


「OKETA COLLECTION(桶田コレクション)」とは、長年ファッションビジネスで活躍されていた桶⽥俊⼆さん・聖⼦さん夫妻による、現代アート作品と骨董作品を中心としたコレクションのことです。

そのコレクションは約20年の歳月をかけて築き上げられています。

近年は毎年4月ごろに南青山にある「スパイラルガーデン」でコレクション展も開催しています。

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今回の展覧会では骨董作品や世界初公開の現代アート作品も含む、心踊るような作品を展示しています。

前期は「骨董」と「現代アート」のマリアージュがテーマ

展覧会は桶田夫妻が収集してきた骨董と現代アートをコラボして同時に展示する初めての試みがなされています。

展示作品はカラフルな色彩の大型作品を多く展示しており、こうした作品を選んだ背景には

  • アートをコレクションし、展示の楽しさを感じてもらいたい
  • コロナ禍で世の中も暗い雰囲気だったので、明るい印象の作品を多く展示し、少しでも心地よい気持ちになって帰路に着いてもらいたい

という想いが込められているそうです。

展示構成は「身体」「モノクロ」「カラフル」の3テーマのもと、4つのエリアに分けた展示となっています。

後期も鑑賞するなら必見!リピーター割引

今回のOKETA COLLECTION展は前期と後期の2部制となっています。会期中の前期の「Mariage −骨董から現代アート−」展のオンラインチケットを購入し鑑賞すると、後期展の期間中に利用できる200円割引きクーポンをゲットできます

今から前期・後期の両方とも鑑賞予定ならば、ぜひ活用しましょう!
(7月上旬頃にオンライン購入時に登録したメールアドレスに案内が届きます。)

ちなみに、後期は2022年8月6日(土)〜10月16日(日)の日程で「YES YOU CAN ーアートからみる生きる力ー」展が開催されます。

アプリで音声ガイドも利用可能(無料です)

WHAT MUSEUMでは公式アプリを使った音声ガイドを無料で利用することができます

桶田夫妻による作品にまつわる話が収録されており、どれも1分程度とコンパクトな音声ガイドとなっています。

会場に限らず、天王洲エリア内にいればどこでも聴けるものなので、展覧会へ行く前や、鑑賞中、鑑賞後に後日談的に聴くなど、各々のタイミングに合わせて聴けるのが嬉しいところです。

WHAT MUSEUM公式アプリのダウンロードが必要なので、気になる方は事前にダウンロードしてから天王洲へ行くのがおすすめです。

iOS対応はこちらAndroid対応はこちら
AppStoreでダウンロードGoogle Play で手に入れよう

展示作品を鑑賞

前期のMariageでは合計で44点のコレクション作品が展示されていました。今回はその中から12点をピックアップしてご紹介します。

HALL「身体」

異なるアーティストの立体作品のみで構成された、ギャラリーや美術館ではあまり見かけない展示方法をしたスペース。

このスペースには遊び心もあって、作品が囲いで半分覆われているものもあり、作品を垣間見たり、反対側に周って全体像を観たりして楽しむことができます。

Mr.(ミスター)|オタク文化を反映したかわいい少女の立体作品

《かりんー甘酸っぱい思い出》
2018、Mr.(ミスター)、アクリル,ウレタンフォーム,FRP、160.0 × 70.0 × 50.0cm

Mr.(ミスター)さんは1969年キューバ⽣まれの日本人アーティストです。創形美術学校在学中から村上隆さんの⼀番弟子として師事し、20年以上共に歩んでいます。

⽇本の原⾵景とアニメ、ゲームキャラクター⾵の少⼥をキャンバスや紙に描いた、日本のサブカルチャーやオタク文化をアート作品に昇華した作品を制作しています。

Mr.さんの平面作品に描かれている世界観のまま、立体となって立ち現れているようです。近くで見るとラメっぽい細かな輝きが観てとれ、アニメの世界からそのままやってきた非現実感がありました。

この作品はコミッションで、桶田夫妻が平面作品を購入した後に、村上隆さんとMr.さんへお願いし制作してもらった作品なのだそうです。そういった経緯から、桶田夫妻自身にとっても思い入れがあり、ひとつの宝物となっているそうです。

Mr.(ミスター)さん|Instagram:@misteryanen

コミッションとは?

アーティストに直接交渉して作品制作をしてもらい、作品を購入する方法のこと。コミッションワークともいいます。
通常は個展などで発表した作品を購入するものですが、メールやSNSで直接アーティストとコミュニケーションがしやすくなった今、オーダーをして作品制作をしていただく場合もあります。ただし、制作の可否はもちろんあるので、アーティストや所属ギャラリーなどへも確認が必要です。

マンゴ・トムソン|「鏡の中で時は起こる」TIME mirrorsシリーズの作品

《November 14, 2016(The End is Near )》
2019、マンゴ・トムソン、低鉄ミラーにエナメル,ポプラ,アルミニウム、188.0 × 142.0 × 6.0cm

マンゴ・トムソン(Mungo Thomson)さんは1969年アメリカ西海岸のカリフォルニア州デイビス⽣まれのアーティストです。カリフォルニア⼤学サンタクルーズ校にて美術学⼠、UCLA Interdisciplinary Studioにて美術学修⼠を取得しています。

作品のコンセプトは「フィルムや⾳、オブジェなどと印刷物やアーカイブとを融合させ、つねにそれらと接点を持ち続ける」ことで、慣例や通常の認識を覆す作品を制作しています。

今回展示されている”TIME mirrors”シリーズは、「鏡の中で時は起こる」というシンプルな観察から生まれ、鏡に鑑賞者が映ることで完成する作品となっています。

また、今回は鑑賞者だけでなく、多彩な立体作品が空間を彩っているため、鏡の中がより賑やかとなります。楽しい時間は賑やかな空間で生まれることを教えてくれているような展示構成でした。

マンゴ・トムソン(Mungo Thomson)さん|Instagram:@mungothomson

坂口宗雲斎|超絶技巧の工芸で編まれた花籃

《籐組扁壷形花籃》
1923-1967、坂口宗雲斎、籐,竹,漆、約28.0 × 約27.0cm

坂口宗雲斎(さかぐちそううんさい)さんは1899年〜1967年に活躍した、大阪出身の竹工芸家です。名前は作家名で、本名は坂口要さんといいます。

15歳のころに初代田辺竹雲斎に師事し24歳で独立、展覧会で入選を重ね、卓越した技術と独創的な意匠で高い評価を得ました。

展示作品は花籃(はなかご)と呼ばれるもので、中央に花瓶を入れて花を生けられるようになっています。籐(ラタン)と呼ばれるツル性植物で丁寧に編み込まれていて、中央にある7角形の部分は竹の節を使っているようです。

骨董作品が放つ存在感と現代アートが同じ空間にある違和感というよりは、同じ人の手で生み出された作品だからこそ生まれる融和を感じました。

他にもVERDY(ヴェルディ)さんが初めて制作したといわれている立体作品や平子雄一さんの木の顔をしたモチーフの立体作品も展示していました。

SPACE 3「カラフル」

「カラフル」と称されたスペースは、ロサンゼルスの明るさを感じさせるイメージで構成しているそうです。明るく元気になれるようにカラフルな作品を多く展示しています。

クレイグ・クチア|閉塞感を明るく突き破る世界初公開の作品

《a window as a painting as a painting is a window》
2022、クレイグ・クチア、油彩,麻、198.12 × 192.1cm

クレイグ・クチア(Craig Kucia)さんはアメリカ中西部のオハイオ州クリーブランド出身のアーティストです。Cleveland Institute of Art(クリーブランド、アメリ カ)で美術学⼠、Chelsea College of Arts(ロンドン、英国)で美術学のポストグラデュエー ト・ディプロマを取得しています。

作品は「記憶と想像の境界で⽣じる視覚的および⼼理的空間の表現」を追求した、複雑で神秘的な構図をもつ、観る度に気づきを得るような作品を制作しています。制作には歴史的な芸術運動からクレイグ・クチアさん自身の経験まで、広い領域からインスピレーションを得ていて、それを幅広い技法を併用することで油絵の可能性を探求しています。

作品の雰囲気がロサンゼルスの空間構成のイメージにピッタリだと感じたそうで、今回の展示作品は桶田夫妻がアーティストにコミッションをし、実は世界初のお披露目の場ともなっています

窓の存在感が際立つ作品には主にサボテンが登場しています。家の中にいるサボテンは皆元気がなさそうで、針もヨレヨレになっています。一方の窓の外に生えるサボテンは情熱の塊のような元気さを備えていて、左側の方では窓ガラスを突き破る様子が描かれています。

元気そうに咲く色とりどりの花からも元気さが伝わってきて、閉塞感を突き破る存在の大切さと、割れた窓から外に出る勇気も大切と教えてくれているようでした。

クレイグ・クチア(Craig Kucia)さん|Instagram:@craigkucia

カシン・ローン|無邪気な見た目に数学的要素を感じるLabubu(ラブブ)作品

《Slope!》
2021、カシン・ローン、アクリル,キャンバス、160.0 × 120.0cm

カシン・ローン(Kasing Lung)さんは1972年、⾹港⽣まれのアーティストです。イラストレーターとして2011年より絵本やコレクタブル・フィギュアのシリーズをリリースし、中でも2014年に出版した児童⽂学作家ブリジット・ミンネとの共作による絵本「Lizzy Wil Danssen(リジーはダンスがしたい)」はヨーロッパやアジアの各国で翻訳出版されています。

2015年より北欧神話に強い影響を受けた物語シリーズ「the Monsters」の制作をスタート、今回の展示作品にも描かれているウサギ⽿のキャラクター「Labubu(ラブブ)」は絶⼤な⼈気を博し、これまでに300を超える⾊と形、サイズでリリースされています

まるでクレヨンで描かれているようで、上部ではてるてる坊主と天気が勝負をしている感じに無邪気さを感じます。

一方で、右下にはなぜか数学的な用語(linear equation[一次方程式]、derivative[微分]、row vector[行ベクトル]、jacobian determinant[ヤコビ行列式]、critical point[臨界点]など)が描かれています。そう考えると、タイトルの《Slope!》は数学的な「傾き」を表しているのかもしれません。そうした時に、描かれている矢印も「ベクトル」に見えてきて…といったように、無邪気さとは異なる、解のある数学的な要素も感じる作品でした。

カシン・ローン(Kasing Lung)さん|Instagram:@kasinglung

北大路魯山人|料理が服を着飾るような椿鉢

《椿鉢》
1940頃、北大路魯山人、色絵陶器、約10.5 × 約23.0cm

北大路魯山人(きたおおじろさんじん)さんは1883年〜1959年に活躍した、昭和を代表する京都出身の芸術家です。北大路魯山人さんは美術家以外にも美食家、料理家、書道家、陶芸家、芸術家、文筆家、批評家…と実に様々な顔を持っている人物です。

京都は上賀茂神社の社家の息子ではありましたが、実際の生活は困窮していたそうで、両親の愛情を受けることなく養子にだされます。そこで自炊をしたところから料理に関心を持ち、その後芸術に造詣を深めながら成長し、自ら作った独創的な料理を盛り付けるための器制作をするようになります。

「食器は料理の着物である」という名言どおり、志野、織部、備前、信楽などの多彩な技法を用いた陶芸作品を数多く世に残しました。

鉢には椿の模様が描かれ、真ん中には空間が。それはまるで「ここに料理を盛ってね」と催促しているようでした。制作から半世紀以上経っているのに色鮮やかなのも魅力的です。

他にもマリウス・ブルチーアさんの作品なども展示していました。

SPACE 4「モノクロ」

ひとつの部屋がモノクロで統一されている、これまでの展示とは雰囲気が変わるエリアです。

五木田智央|独特なモノクロの肖像画

《Lady Dada》
2016、五木田智央、アクリル,グアッシュ,キャンバス、227.3 × 181.8cm

五木田智央(ごきたともお)さんは1969年生まれ、東京都出身のアーティストです。元々はイラストレーターだったところから作品制作をスタートし、90年代後半に鉛筆、⽊炭やインクで紙に描いたドローイング作品で注⽬を集めていきます。

ニューヨークでの展覧会を⽪切りに、これまで国内外で多数の個展を開催するほか、ファッションや⾳楽の分野でも⾼い評価を得ていて、TシャツやCD/レコードジャケットなどにアートワークを提供しています。

作品のモチーフは主に海外の古い雑誌や印刷物、写真などからインスピレーションを得て制作をしています。五木田智央さんはモノクロの作品が有名ですが、2020年にはタカ・イシイギャラリー(complex665)にて国内初のカラーのペインティング作品も発表しています。

展示作品は女性を描いていて、顔の部分が黒く塗りつぶされているように見えます。唇を菱形にして強調しているように見えるのが五木田さんらしい表現に感じます。

モノクロの作品を観るときは筆跡もよく観ると面白く、いろんな線やグラデーションの表現が重ねられているのが分かります。

五木田智央さん|Web:https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/3868/

ヴァージル・アブロー|今や遺作となってしまった広告と消費の関係を探る作品

《advertise here》
2018、ヴァージル・アブロー、油彩,キャンバス、143.0 × 320.0cm

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)さんは 1980年〜2021年まで活躍したアメリカ中西部のイリノイ州ロックフォード⽣まれのファッションデザイナーです。

デザイナーとして自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の創業や、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・デザイナーとして有名ですが、他にもアーティスト、建築家、エンジニア、クリエイティブ・ディレクター、⼯業デザイナー、ミュージシャン、DJ、慈善家として幅広い活躍をしていました。

今後の活躍も期待されていましたが、2021年にがんのため41歳の若さで急逝されてしまい、あまりにも急な出来事で悲しむ声も多くありました。

黒い背景はローラーではなく、黒い油絵具と画筆で塗られているのが見て取れ、そこに「“ADVERTISE HERE”(広告掲載はこちら)」の文字が書かれています。

その下に添えられている電話番号「+1-855-633-9483」に電話をかけると〈Off-White™️(オフホワイト)〉のデザイナーが2016年春のコレクション“Blue Collar”の説明をしてくれるという仕掛けがなされていました

今回展示している作品は、アーティストとして制作した数少ないアート作品のひとつで、遺作といっても過言ではない作品ではないでしょうか。

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)さん|Instagram:@virgilabloh

モノクロの現代アートとマリアージュする李朝白磁

《李朝白磁壺》
約28.0 × 約32.0cm

モノクロの現代アートに囲まれた空間の中心に展示されている骨董作品が《李朝白磁壺》です。白い色合いと底の厚さが特徴的で、モノクロの展示空間と綺麗にマリアージュしています。

李朝白磁とは今の朝鮮半島にあった国である李朝朝鮮で作られていた白素地に無色の釉薬をかけた磁器のことです。

持たずともその重量感が見て取れ、展示空間の調和を支えているような、頼もしい存在感を放っていました。

他にもKAWS(カウズ)さんの平面作品と立体作品やTIDE(タイド)さんの子供時代の原風景やノスタルジアを混在した作品なども展示されていました。

SPACE 5

名和晃平|彫刻の「表皮」に着目したビーズに覆われた鹿の代表作

《PixCell-Deer#48》
2017、名和晃平、ミクストメディア、210.9 × 181.3 × 150.0cm

名和晃平(なわこうへい)さんは1975年生まれ、大阪府出身のアーティストです。

京都市立芸術大学美術科彫刻専攻を卒業し、同年に英国王立芸術大学院へ交換留学、2003年に京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻を修了しています。

名和晃平さんは感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目した作品を制作しています。

今回展示されているビーズに覆われた鹿の作品は名和晃平さんの代表作です。

この作品は桶田夫妻がギャラリーと名和晃平さんにお願いして制作したという作品。周りの壁を黒く塗り暗くして、作品をライトで照らすことで、作品が浮き上がっているように見えるようにしていて、展示空間への工夫が凝らされています。

ビーズ越しに鹿の毛並みも確認できますが、鹿本体を見たり触れたりすることはできない、そんなデジタル画面越しに本物を見る現代を表しているようでした。

また、ビーズの作品以外にも名和晃平さんは多彩な作品を制作していて、直近では「銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM」にて開催した個展「Fountain」で新作も発表していました

名和晃平さん|Instagram:@nawa_kohei

ネイト・ロウマン|生活の残骸を変換した作品

《Hyacinth》
2012、ネイト・ロウマン、毛髪染料,木,シルクスクリーンインク,葉,アクリル,キャンバス,木製パネル、165.1 × 157.4cm

ネイト・ロウマン(Nate Lowman)さんは1979年、アメリカ西部のネバダ州ラスベガス出身のアーティストです。1997年にニューヨークに移住し、ニューヨーク大学に通いながらアートスペースのDia Center for the Arts(現Dia:Chelsea)で警備員として働き始めたことをきっかけに、アーティストとしての活動をスタートします。

ネイト・ロウマンさんは、現代アメリカ人の生活の残骸を収集・変換し、見慣れたサインやシンボルを再考した作品を制作しています。有名なのが銃弾痕をモチーフにした作品で、今回展示している作品にも大きな銃弾痕が見て取れます。

また、作品名のHyacinth(ヒヤシンス)は花の名前ですが、その由来はギリシャ神話が元になっています。医学の神アポローンが誤って投じた円盤がヒュアキントスという美青年の額に直撃し命を落とした時に流れた血から咲き始めた花が、ヒヤシンスだったのだそうです。

ネイト・ロウマン(Nate Lowman)さん|Web:http://natelowman.net/

マシュー・デイ・ジャクソン|美と恐怖の両方を示唆した作品

《Flowers in a Wooden Tub(Paris)》
2018、マシュー・デイ・ジャクソン、テキスタイル,シルクスクリーン,建築用ターフマット,顔料プリント,紙、243.8 × 178.8cm

マシュー・デイ・ジャクソン(Matthew Day Jackson)さんは1974年生まれ、アメリカ西海岸のカリフォルニア州パノラマシティ出身のアーティストです。ワシントン⼤学(シアトル、アメリカ)を卒業後、版画制作者として働いたのち、ラトガース⼤学メイソン・グロス芸術学校(ニューブランズウィック、アメリカ)で学びました。

「Horriful(ホリフル)」といわれる概念のもと、人が行うすべてのことが美と恐怖の両方をもたらす可能性を持っているという信念を探求した作品を制作しています。特に、アメリカンドリームの神話を取り上げ、その失敗したユートピアのビジョンを通して、創造、成長、超越、そして死の力を探求しています。

展示作品はバケツにいれた花束に見えつつも、花の柄が原爆のきのこ雲だったり、お洒落な生地が用いられているようです。まるで、人間の欲望が自然に投影されているようです。人の手が美と恐怖の両方を創り上げられてしまうことを暗示しているようでした。

マシュー・デイ・ジャクソン(Matthew Day Jackson)さん|Instagram:@matthewdayjackson

国内外のカラフルなアートが揃う空間で心地よく明るい気持ちになる鑑賞体験を!

骨董作品と現代アートのあまり見ないコラボレーションを実現した展覧会を鑑賞してきました。

国や年代、素材、アーティストも異なる様々な作品が一堂に会する場でアートに触れる機会は決して多くはありません。それができるのも長年国内外のアート作品をコレクションしてきているからできることだと思います。

1日を彩り豊かに、明るい気持ちに誘ってくれる展覧会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

展示会情報

展覧会名OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展
会場WHAT MUSEUM 2階
東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
会期2022年4月28日(木)〜7月3日(日)
休館:月(祝日の場合、翌日休館)
開廊時間11:00〜18:00
※最終入場は17:00まで
サイトhttps://what.warehouseofart.org/exhibitions/oketa-collection_mariage/
観覧料オンラインチケット制。チケット購入はこちら
一般      :1,200円
大学生/専門学生:700円
高校生以下   :無料
※同時開催の展覧会も併せて鑑賞できます
※品川区、港区に住んでいる方はチケットを購入の上、来館時に受付で住所の確認できるものを提示すると割引がされます。(本人のみ有効)
コレクター情報OKETA COLLECTION|Instagram:@oketacollection

関連リンク

2022年開催のOKETA COLLECTIONの模様はこちらをチェック

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2021年開催のOKETA COLLECTIONの模様はこちらをチェック

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よしてる
東京でアート巡りををしながら「アートの割り切れない楽しさ」を探究している理系男子です。会社員をしながら、週末アートウォッチをしています。 2021年から無理のない範囲でアート作品の購入も始めました。 好きな動物はうずら。

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